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戦いの末

この家がタブレット一つで破壊されようとしている。


「ふふふ、俺は本気だよ、家ごと人生を壊されたくなかったら


俺の言うことを聞くんだ」


「わかった、わかったから気を確かにしろ、落ち着け」


すると祐介はタブレットをいろいろ操作して言った。


「この家の権利を俺んちに譲るんだ」


急にヘリコプターがやってきた。


『緊急ヘリコプターサービスガキマシタ。


家主様ハタダチニオ乗リクダサイ』


ヘリコプターから落ちてきた縄のはしごに乗るや否や


5メートル上空から祐介は叫んだ。


「どこかにこの家の権利書データのCD-Rがあるはずだ!


それを持って来い!それを再インストールして俺の名前を


入力すれば、それだけでこの家は俺んちのものになる!」


「う、うそだ!!たったそれだけでお前のものになるなんて


日本の法律が許すわけがない!!」


「今は紙媒体の時代じゃない。すべてはデータの時代だ!


実は俺は今日みたいな日が来るのを待っていた。携帯住宅タブレットの


勉強も乗っ取るために以前からひそかにしていたんだ。でも、本当は


お前の家のタブレットだけは盗むつもりじゃなかったんだ。


お前が俺の父親のことをばかにしなければな・・・」


「だからそれは悪かったっていっているだろう!?」


「もう遅い、俺も乗りかけた船だ。この家を乗っ取って


家族を裕福にしてやるんだ。そしてお前には貧乏な


生活を味わってもらう、さあ早く…」


その時だった。


愛花がいきなり自分の携帯を祐介に向かって投げたのだった。


それは見事に祐介の顔面にぶつかった。


そして次の瞬間、祐介がタブレットを落としてしまったのである。


はしごにつかまっている祐介は5メートルほど下へ


タブレットを落とした。


「やばい!!タブレットが!!」


次の瞬間そのタブレットを愛花が受け止めた。


しかしその次の瞬間、愛花は屋上から


足を踏み外してしまった。


「きゃあああああ!!」


僕は思わずその両足首をガッチリとつかまえた。


危機一髪と安心したのも束の間


目の前には当然ながら逆さで吊るし上げられた状態の


女子高生の生足と(イチゴのデザインの)下着が


晒されてしまった。


「えええええっ??」


「きゃああああ!!こんなのサービス外よおお!!」


「見てない、見てないから!早くタブレットを!!」


すると上から祐介の叫び声が聞こえた。


「うわあああ何するんだよ!!」


「タブレット権利横領の容疑で逮捕します!!」


上を見るとさらに別のヘリコプターが現れ、


そのヘリコプターには警視庁と書かれていた。


「あ、愛花、お前…」


「へへへ…タブレットさえ手に入れたらもう


即勝利よ!スピード防犯システムを押したのよ!!


…っていうか、見ないでよおおお!!!」


「み、見てないっ!!」


こうして祐介との戦いは


タブレットを取り戻した瞬間に


あっという間に終わったのだった。

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