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始まり
どこかの街の どこかの街角で
あなたはきっと見付けるだろう・・・
せわしない街に不似合いな
穏やかな緑の屋根に
やわらかな白の壁の
不思議な喫茶店を
そこで、あなたは出会うだろう
たくさんの物語に・・・
カランッ カランッ カランッ・・・
いらっしゃいませ、ようこそ白詰草へ。
どうぞ、お好きな席にお座り下さい。今、メニューをお持ちしますね。
はい、メニューです・・・おや、何か気になるものでもありましたか?
・・・。
あぁ、本ですか。お好きなのを読まれても構いませんよ・・・え?
あっ、「本と本棚が多いから、図書館にいるような気がする」ですか。
ふふっ、確かに言われてみれば、そうですね。
図書館みたいな喫茶店ですが、静かにしないといけない訳ではありませんから、ゆったりとくつろがれて下さいね。
では、ご注文が決まりましたら、お呼び下さいね。