Ⅳ
「3000円。」
目の前にさしだされた手にレイカは冷や汗をかいた。
「な、頼むってもうちっとまけてくれ。」
「じゃあ3000円」
「1円もまけてくれねえのな!」
「しょうがないね。2999円で手をうったげる」
「イエーーイ! ってほんとに1円しかまけてくれねえんだ!」
レイカは友哉と別れてすぐ、自宅に行った。
束切リンカ。
レイカの高2の姉。
そして、彼女は人のオーラを読み取って追跡できるという超能力をもつ。
「な、頼むって。おまえの力が必要なんだ。」
「消しゴムしかもちあげられないあんたに頼まれたくなーい。」
「なんだとう!」
そして、レイカも超能力者である。
所謂、物体浮遊能力。
だがせいぜい消しゴムを持ち上げる程度。
だから言い返すことができない。
「…くそっ。今月の小遣いとぶけど…。まあいいや。3000円払うからとりあえず頼まれてくれ!」
「…しょーがないね。」
めずらしく必死なレイカをみてリンカはOKをだした。
だが元の値段にはかわらない。
「よっしゃ!」
「で、なにをしてほしいの?」
「それはだな、」
レイカはさきほどの話をリンカにした。
「なあるほどね…その真悟くんの居場所がしりたいわけか。」
「おう!」
「ところであんた。」
「?」
「あたしが人のオーラをみるにはその人が三日以内につかったモノがないとだめってこと、知ってる?」
「あ……」