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Ⅰ
夕日が、とある教室にさしこんでいた。
ありきたりな教室で向かいあっているのは、この学校の制服をきた男女。
「くそっ! 一歩おそかったか!!」
「ごめんね。赤野クン」
憤慨する男子生徒とクスクスとほほ笑む女子生徒。
男子生徒はどこにでもいる高校生で、女子生徒は童顔で長い黒髪をなびかせていた。
「…おれはどうなるんだ。」
赤野クン、とよばれた男子生徒は女子生徒に問いかけた。
「もちろん。アルカディアにきてもらうの。そこから先は向こうに着いたらわかるわ。」
女子生徒はまたクスクスとほほ笑んだ。
「…レイカにはやく伝えるべきだったか!!」
「あらあ。大丈夫よ。あなたのお友達の名前はリストの最後のほうだから。」
「どっちにしろ、あいつも連れてかれるんだろ…。」
「そうね。だから、、、」
女子生徒は一歩ずつ赤野クンといった男子生徒に近づいた。
「今は、自分の心配をしたらどうかしら?」
「くそっ!!」
男子生徒は悪態をついた。
「さよなら、超能力者リスト№03赤野真悟。」
ヒュンッ
ふと風をきる音がして、つぎの瞬間には二人はいなかった。
夕日はまだ教室をさしていた。