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四。
困った事がある。
目の前に、周りに集まる大量のエサを食べきれないのだ。
エサは各々で自分の周りを動き回るが、よく見ると、色んな種類が居るではないか。
「それはエサじゃないよ?」
自分の中の良心が呟く。
「じゃあ一体なんなんだよ?」
「君は解っているのに、何故聞くの?」
「俺は、自分が正しいとは思っていないから」
「他人に不安を感じるから、喰べるんだよ」
エサは人と成り、人は友となった。
中には、自分の内面が見えていた人も居たのかもしれないが、私は友が、私の良い所に惹かれて来てくれているのだと、自分の心が、そこで守られている事も知らずに、勘違いしていた。
そして、初めてそこに私の居場所が出来た。
だが、その心地よさは自分と家族との間を、徐々に引き裂いていった。