↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

あっと驚いて身体が固まった

作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/08/30

あの日、偶然見かけたあなたの背中。胸を躍らせて駆け寄ろうとした私が見たのは、もう私の知らないあなたの笑顔でした。

あっと驚いて身体が固まった

いつもの改札を抜けた瞬間

人混みの中で見慣れた背中を見つけた

少し伸びた髪、お気に入りのあのコート

間違いなくあなただった

駆け寄ろうと無意識に一歩を踏み出した時

あなたの隣に寄り添う小さな肩が見えた

二人は顔を見合わせて、柔らかく微笑みあっていた

かつて私に向けられていたはずの、あの温かい瞳で

あっと驚いて身体が固まった。

息をするのも忘れ、瞬きすらできず

冷たいアスファルトに足が縫い付けられたように

私はただ、遠ざかる二人の影を立ち尽くして見送った

あなたが新しく選んだ未来には

私の居場所はもうどこにもないのだと

言葉ではなく、残酷な景色として突きつけられた

行き交う人々のざわめきが遠くへ離れていく

冷たい風だけが、空っぽになった胸の奥を吹き抜ける

溢れそうな涙を拭うことさえ忘れて

時が止まった世界で、私だけがひとり

過去に取り残されたまま、いつまでも動けずにいた

立ち止まってくださり、ありがとうございます。

誰しも一度は「あの時」にとらわれ、時が止まったような経験があるのではないでしょうか。

この詩は、不意に突きつけられた現実と、取り残された孤独を描いた作品です。見慣れた背中のぬくもりと、冷たい風の対比を感じていただけたら幸いです。

傷が癒えるのには少し時間がかかるかもしれませんが、この静かな痛みが誰かの心にそっと寄り添えますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。