第109話 更生業務
死者の更生目的で太古の人間界へ来ている俺の元に怪猫神がやってきた。
「やっと見つけたにゃ」
いつもの定位置へ乗る怪猫神。
「どうしたの猫神様?」
「どっか行く時は一人くらい側近を連れていくにゃ」
「いやでも、この件は俺が勝手にやってることだし・・・」
「それでも連れていくにゃ!」
怪猫神が心配してくれてるのかなぁと思っていたら・・・
「魚は採れたかにゃ?」
好『あ、こっちが目的だわ』
独『猫ちゃんだからねぇ』
吾『にゃんにゃんかわいいね〜』
そして死者が次の食材を持ってきていた。
「植物?山菜感覚で食べれるかなぁ?」
「とりあえず預かるね〜」
死者が怪猫神に気付いた。
「猫神様も来ていたのですね」
「お前、魚採って来いにゃ」
「へ?」
「魚採ってきたら特別ボーナスやるにゃ」
「すぐ採ってまいります!」
死者が走り出した。
「ちょっと〜勝手に決めないでよ〜」
「なんのことにゃ?」
「内容を変えたら怒られるの俺なんだよ?」
「知らないにゃ」
プイッとそっぽを向く怪猫神。
好『かわいい』
独『かわいいなぁ』
吾『かわいいねぇ』
亡『猫ちゃん♪』
「最高神様、最初の説明通りにお願いします」
「ほらぁ〜」
怪猫神は頭の上で眠っていた。
「まぁ幸い、あの人にしか言ってないから大事にはならないでしょ」
その後、特別ボーナスの噂があっという間に広がり、魚を持ってくる死者が後を絶たなかった。
怪猫神は大量の魚を手に入れご満悦の様子だ。
「どうすんのよこの量・・・」
「食べるにゃ!」
「店主さんにも少し残しておいてよ?」
「それはわからないにゃ」
そして陽が落ちようとしていたその時・・・
ドスン!ドスン!
死者が数人叫びながらこちらへ走ってきていた。
「最高神様〜!助けてください〜!」
「あちゃ〜ティラノサウルスに遭遇しちゃったか〜」
「猫神様はちょっと降りててね」
「んにゃ」
怪猫神が降りると、俺はその辺にあった木の棒を二本手に取り、ティラノサウルスへ向かっていった。
「亡鎧!死者たちをお願い!」
「わかりました!」
「吾亦紅!」
『おっしゃ!』
吾亦紅神の変化の力で木の棒を日本刀に変化させる。
「お〜かっこいい!でも木刀でいいよ〜」
俺の一言で木刀に変える。
「独創!」
『任せろ!』
足元に弾力を持たせ、トランポリン状態を創る独創神。
ダンッ!
そしてティラノサウルスの顔の高さまで飛び上がり、木刀で一閃。
ズバン!
よろけるティラノサウルスがそのままの勢いで尻尾を振り回す。
バゴォーン!
「おっほー!」
直撃した俺はそのまま吹き飛ばされる。
独『おいおいしっかりしろよな〜』
「ごめんごめん!」
再びティラノサウルスに向かい足元に打撃を加え、転けさせる。
「ごめんね」
そしてティラノサウルスの顔に一撃与える。
バゴッ!
気絶したティラノサウルス。
「ふぃ〜。終わったよ〜」
武器を捨て、亡鎧の元へ戻ると死者たちが話していた。
「あんなんでも強いんだな」
「最高神の名は伊達じゃなかったか」
「みんなひどいね〜、俺もやる時はやるよ〜?」
死者の背後からヌッと出てきた俺に驚く死者たち。
「最高神様!申し訳ありません!」
死者たちが一斉に土下座を始めたので慌てて俺は止めた。
「待って待って!そこまでしなくていいから!」
「しかし・・・」
「俺が楽しかったから大丈夫!」
『そういう判断なんだ・・・』
「わかりました・・・」
立ち上がる死者たちを労い、亡鎧へ話す。
「このティラノサウルスどうしようか?」
「この場で解体するしかないですね」
「だよね〜」
俺たちはティラノサウルスを解体し、保管庫に入れた。
「お疲れ様〜、今日はこれで終了だよ〜。結果は冥王から通達があると思うから待っててね〜」
俺は全員を冥界に送り返し、冥王に会いに行く。
「どうじゃった?」
「楽しかったしみんな真面目に取り組んでくれたよ〜」
「ほ〜そうかそうか・・・で?この特別ボーナスというのはなんじゃ?」
冥王の表情は笑っているが怒っている様子だった。
「それは猫神様が勝手にやったことで俺は関係ないよ!?」
「私は知らないにゃ」
「猫神様!?」
「はぁ・・・お主のことじゃから何かあるじゃろうとは思っていたが・・・」
「俺じゃないってば〜!」
「まぁ今回だけは許そう。ただし次やったら無いと思うのじゃ」
「・・・はい」
なぜか俺だけが怒られた。怪猫神は呑気に頭の上で寝ている。
冥界での初仕事を終え、魔界へ行き店主に食材を届けに向かった。
「店主さ〜ん!食材持ってきたよ〜」
「おう!好奇神!すまねぇな!」
「構わないよ〜」
俺は独創神に創ってもらった保管庫を店の中へ置いた。
「今回はどんな食材だ!?」
「えっと・・・恐竜の肉と魚とよくわからん草かなぁ」
「・・・お前なに基準で草を持ってきたんだ?」
「なんとなく食べれるかなぁって思って」
「お前もうちょっと勉強しろよ・・・」
「店主さんなら美味しく調理してくれるでしょ?」
「そういう問題じゃねぇよ!」
こうして俺の更生の仕事は終わった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第110話 早々に締め上げる
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