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第92話 学年末試験 2

リリィも交えての勉強会もあっという間に時間が過ぎていき、遂に学年末試験当日を迎えた。


「緊張してきた…!」

「確か、初日は筆記試験、2日目と3日目は実技試験だったね。」

「じゃ、俺らはこっちだから。」

「うん。頑張ってね。」

「そっちもね。」


一行は平民部と貴族部で分かれ、それぞれの教室に向かう。着席後、暫くして試験官が教室に入り、生徒達に問題用紙を配っていく。


「それでは、始め!」


試験官の合図で、一斉にペンを取って問題用紙に記入を始める。


(筆記試験は問題無いとして……実技試験はどうしよっかなぁ……ま、その時になったら考えるか。)

(ここはこれで……あ、これは前に教えてもらったところだ。こーちゃんって結構勉強得意なんだなぁ……)

(うっ…ここは……思い出せ、思い出すのよあたし!ここはあいつに教わった筈……!)


貴族部で降助達が奮闘する一方、平民部でもカイト達がテストに挑んでいた。


(ふう……やっぱり、学年末というだけあって骨が折れるねぇ……でも、コウスケのおかげでなんとかなりそうだ。)

(うーんと…えーっと…あ!よしよし、思い出せた思い出せた……ところでガーヴはどんな感じ…ね、寝てる!?もう解き終わったの!?それとも諦めて…?と、とりあえず残りの問題に集中、集中…!)


その後、時間になってテストが終わっては休憩に入り、再びテストが始まってを数回繰り返した後、1日目が終わる。


「終わったー!!」

「いやあ、今回は中々手強かったね。」

「そういえばガーヴ、途中寝てたけど大丈夫なの?」

「あ?あー、あれな。ありゃ速攻で解き終わったからヒマになって寝てただけだ。」

「わぁ…ガーヴってそんなに勉強できたんだ……」

「は?馬鹿にしてんのかオマエ?」

「いや…馬鹿にしてるっていうか…ちょっと意外だなって…」

「やっぱ馬鹿にしてんじゃねぇかコノヤロウ!このッ!このッ!」

「きゃー!やめてよー!!」

「あはは……コウスケの方はどうだったんだい?」

「そうだね……まあ、俺の見立てではオール満点かな。」

「えー!?ホントに!?私はあんまり自信無いかな……コウスケって本当に勉強できるね……」

「まあね。リリィはどうだった?」

「あたし!?あたしは……も、勿論余裕よ!あんたなんかの手を借りるまでもなかったわね!!」

「えー?本当かなー?」

「う、うっさい!あたしはこっちだから!じゃ!……あ、明日の実技試験であんたの吠え面かいてるところを拝むのが楽しみねー!あー楽しみ楽しみー!!」

「行ってしまった……」

「あの子、なんか段々可愛く見えてきちゃった。」

「あ、僕らはこっちだから、また明日ね。ほらガーヴ、ミレナ。騒いでないで帰るよ。」

「わーってるよ…ったく……」

「じゃ、また明日ね!」

「うん、また明日。」

「バイバイ!」


降助達とカイト達が別れ、暫くして寮に着き、降助とクレイもそれぞれの部屋に帰っていく。


「…ふう。明日の試験の方向性は決めたし、今日は早めに寝るか……」


降助は軽くシャワーを浴びた後、軽食で済ませて眠りについた。そして次の日、訓練場では武術科の試験が始まろうとしていた。


(今回のプランはズバリ、実力隠し再び…と見せかけて容赦無くいく!…俺は理解したよ。平民部にいた時のように目立たない為に手加減をすると…貴族部では手頃な弱いやつと見なされて逆に標的にされる!よって、容赦無く相手を倒して標的にしてくる人の数を絞るという戦法よ。ふっふっふ…我ながら完璧…!)

「次!コウスケ・カライト!」

「あ、はい!」


試験官に呼ばれた降助はラックに向かい、使う武器を選ぶ。


(よし、今回は槍でいってみるか…!)


降助は槍を手に取ると、舞台に上がって相手と向き合う。


「それでは…始め!」

「はあっ!!」

「!」


合図の直後、対戦相手は踏み込んで剣で攻撃してくるが、降助は槍の穂先で剣を弾き飛ばし、石突を顎に叩き込む。


「あがッ…」

「《スピアストーム》!」


槍が高速で回転することにより暴風が発生し、対戦相手が吹き飛ばされる。


「うおぉっ!?」

「な、なんだあれは…!」

「こ、この暴風…本当にスピアストームなのか!?」


降助が回転を止めた頃には周囲は荒れ果て、対戦相手は訓練場の壁にめり込んで気絶していた。


「…ちょっとやり過ぎたかな……」

「…し、勝者、コウスケ・カライト!保健係は彼を保健室に運んでおくように!」

「あ、ありがとうございました〜……」


降助はそそくさと舞台を降り、次の受験者と交代する。


「次!レイン・ラジット!」

「フン…」

(おお…次はレインか。いつも突っ込んでは返り討ちにされてるイメージだったけど、どんな風に戦うんだろう?)

「始め!!」

「《サンダースラッシュ》」

「な―ぐあぁっ!?」


勝負は一瞬で決まり、コゲコゲになった対戦相手がレインの前に倒れて終わった。レインは対戦相手には目もくれず、降助を睨んで舞台を降りる。


(挑発…って事かな?それにしても、普段はああやって一撃で決まるからあの戦い方しかできないんだろうな…もっと臨機応変に動ければ全然強いだろうに……)


普段学校が無い時はクーア達に修行をつけてるからか師匠思考になっていたが、再び名前を呼ばれたので思考を切り替え、降助は武器を変えながら次々と対戦相手を倒していく。


「剣に槍に斧…どれだけ武器を扱えるんだ…!?」

「しかもスキルも代わる代わる撃ってるぞ…!な、何なんだあいつは…ただの平民上がりじゃないのか!?」


そして遂に最後の組み合わせになり、降助とレインが舞台の上に立つ。


「ふう…」

「満足できたか?」

「え、何が?」

「ふっ…行動も幼稚なら思考も幼稚なのは当然だったな。おおかた、貴様は様々な武器やスキルを扱えるんだと見せびらかし、注目を浴びたかったんだろう。だが、そんな子供のような考えではこの先貴族部ではやっていけんぞ?」

「あ、はい」

「チッ…こいつはとことん癪に障るやつだ……コホン。まぐれと勘違いでここまで来た貴様に、本当の力というものを見せてやろう。」

「あ、はい」

「貴様…ふざけているのか?どうやら余程痛めつけられないと分からないようだな?王族である俺を軽んじたらどうなるのか…その体にたっぷりと教えてやろう。」

「うわぁちょっと最後のやつ引く……」

「殺す!」

「は、始め!」


試験官の合図と共に両者が間合いを詰め、数回打ち合った後、鍔迫り合いになる。


「《サンダースラッシュ》!」

「…ッ!はあっ!」


降助は距離を取り、木剣からマナを放ってサンダースラッシュを相殺する。


(風圧で相殺された!?馬鹿な、ありえん、そんな事!)「ッ…《ウインドスラッシュ》!」

「ふっ!」


またしても降助のマナによって相殺され、その後もレインは様々な斬撃を放つが全て降助に届くことは無かった。


「クソッ…!一体何がどうなって―」

(さーて、そろそろ久し振りの…!)「《飛斬(模擬戦用威力控えめバージョン)》!」

「な―ぐああぁぁっ!!」


レインは飛斬を全身に受け、場外に落ちていく。


「勝者…コウスケ・カライト!」

「嘘だろ……」「レイン様を一方的に…」

「これにて本日の試験を終了する!各自解散!!」


場外に吹っ飛び仰向けに倒れるレインの元に、取り巻き達が駆けつける。


「クソッ……」

「レイン様!」「大丈夫ですかレイン様!」「手を……」

「いらん!自分で立てる。」(なんだったんだ今のは……ウインドスラッシュとは違う、何か別の……いや、そんな事はどうでもいい。コウスケ・カライト……いつか絶対に貴様に報いを受けさせてやる……!)


こうして、貴族部の武術科学年末試験が終わるのだった。

ちまちま書き進めるも、何かと忙しくて書き終えて投稿できないまま数日と過ぎていき……そんなこんなで2ヶ月経ってました。本当にごめんなさい。これからはもっと頻度上げられるように頑張るので……投稿サボってる間にこの小説も1周年が来ていたりと、色々ヤバい事に最近気が付きました。危機感持とう。

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