表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

私の方が発言力が高いのですが?

 「〈オブレビアン〉」

とりあえず記憶を消して。

でも、ウィルソン様はどうして知っているのかしら?

まわりに広めていないかしら?

うーん、広めてそう……。

でも、きっと平気……!

そう確信して、帰路についた。



 「アディラ様、アディラ様が黒魔術を使えるなんて本当ですか?」

「アディラ様って黒魔術を使えるのです?」

「黒魔術、使えるのかしら?」

ニースファン王立学園の2年B組で、私は女子三人に質問攻めにされる。

あー、やっぱり広めたのね、ウィルソン様。

親しい友には話しているかも。

でも私にはあなたに無いものがある……。

「皆さん黒魔術についてしっかりご存じ? 呪うだけではないのですわよ。例えば作物を急成長させたり、天候を変えたり……国に役立つものもあるのですわ」

私がそう話すと、周りを取り囲んだ女子三人の顔が明るくなっていく。

「やっぱり、アディラ様はアディラ様ですわ!」

「まー、あの侯爵令嬢の話なんて正直信じる気なんてしなかったわ。ウィルソン卿の妹だからかしら」

「最初から全然信じてないわっ! 勉強部門首席のアディラ嬢のほうが信じやすい!」

……この三人に慕われておいてよかったわ。

全員私より爵位も上だし。

勉強って報われるものね。

 私は黒魔術以外にあまり魔法が使えなかったから、勉強に力を入れたわ。

まあ、武術部門も首席だけど……。

魔法の知識、薬学の知識、魔草と言われる魔力を持つ草の知識など。

おかげで「勉強部門」で三年生を上回って首席を取れた。

 それで、凄くクラスの注目を集めて、質問攻めにした三人に慕われたわ。

逆に、ウィルソン様はワースト一位。

言っていることは、首席のほうが信じやすいわよね。

あれ、妹って言ったかしら!?

結局妹も、「勉強部門」ワースト3位だけれど……。

確かに、ウィルソン様なら家族に喋っていそう。口が軽いのよね……。

前に妹であるレイラ様にあったけれど、今思えばウィルソン様とよく同じ行動をとっていたわ。ブラコンでもあるせいもあるだろうけど……。

問題で同じミスをしたり、魔法の強さが同じところで弱まったり。

兄が悪魔の事を言いふらしたら、レイラ様も真似するでしょうね。

 「アディラ様~」と一人だけ呼ぶのがグレース・エルナンデス伯爵令嬢。

おしとやかで、魔法部門の次席。オリーブ色のカールした髪は、私も欲しいわ……。

「妹だから信じない」と言っているのはアメリア・フィリップス侯爵令嬢。

スタイルが良くてオシャレで、魔法部門の首席。

私を「アディラ嬢」と呼ぶのはイライザ・モルガン公爵令嬢。

ウィルソン様より爵位が高くて、正義感がずば抜けている。

「「悪魔の誤解は解いておくから‼」」

アメリア様とグレース様はクラスの中に散らばった。

あれ? イライザ様は?

「あたくしは、学校中に黒魔術の情報を広めてきますわ!」

学校中! さ、さすがイライザ様ね!

 やっぱり、持つべきは信頼できる友ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ