竜
遅くなりました...。ブクマ沢山ありがとうございます!モチベーションがいつに増して上がっております!
突然婚約をして帰ったら苺やリタがショックを受けるだろうということで、俺達の話は一旦アルカディアに帰って話をしてから再度オーガスタ王国を訪れることになった。
朝。嫌な予感がして目が覚める。ゴエティアの時と同じだ。心配になった俺はアンとレイの部屋を訪れることにした。
「よかった。2人とも無事だったか」
「ふぁぁ。お兄さんこんな朝早くからどうしたんですか?」
「いやすごい当たりそうな嫌な予感がして...」
言い終える前に城からすごい音が聞こえる。
「アン起きろ!」
俺はアンを起こし、音の鳴った方へ3人で向かった。
たどり着くとそこには血だらけのロドリゲスさんが倒れていた。
「ロドリゲスさん!大丈夫ですか」
「あぁ悠馬さんですか...。すいません。アン様少々ミスをしてしまいました」
「見ればわかります。あれはケイビス、私の妹ですね?」
「そうです...。なんとか私の力で抑えてきてはいたのですが流石にもうダメみたいです」
「貴方はよくやりました。ここからは私に任せて下さい」
全く状況が飲み込めない俺とレイを置いて話が進んでいく。
「なあアン。あれがケイビスってどういうことだ?」
俺は目の前に佇む黒い竜を指差してアンに状況の説明を促す。
「すいません悠馬さん、それにレイちゃんも。実は今回オーガスタに戻ってきたのは悠馬さんの顔を見せる以外にも目的があったんです。それは妹に関することで...」
理由を言いかけたところに黒い竜が容赦なくこちらを踏みつけてくる。
「とりあえず理由は後で聞くよ。あれどうすれば止まるの?」
「今まではロドリゲスの契約魔法で暴走を抑えてましたが、それが破られたとなると一度気絶させるなり力技が必要かもしれません」
レイいつの間にかフェンリルの体型になっていた。
「お兄さんこの子苦しんでます。恐らく身体が竜の体に馴染んでいないんだと思います。早く助けてあげましょう」
レイはどうやらフェンリルの体型になると心の声が聞こえるらしい。これは多分神からの恩恵の名残だろう。
「ただ体を傷つけずにとなるとかなり難しいぞ」
「それは...そうですが」
「でも助ける方法はそれしかないんだよね?」
「あら?随分お困りの様ですね」
クスクスと笑いながら女の子が姿を表す。
「ゴエティアなんのようだ?」
俺は現れた女の子の名前を呼ぶ。そうこいつは魔導書ゴエティアだ。
「あら、そんな言い方をしていいんですか?折角私がその竜の子を助ける方法を教えてあげようと思っていましたのに」
ヨヨヨと泣く真似をするゴエティア。
「なんの真似だ?何故俺達を助ける必要がある?」
「なんの真似?そうですねぇ。強いて言うなら主人の意向ですかね」
こいつの主人は確か元生徒会長か。何を企んでるのかわからないのがとても気にくわないが仕方ない。
「とりあえず方法を教えてくれ。俺達は一刻も早く彼女を戻さないといけない」
そういうとゴエティアの手から1つの魔導書を渡された。
「それを読破してみてください。そうしたら彼女を救えると思いますよ」
そう言ってゴエティアは闇の中に消えていった。
俺はその魔導書の表紙に目を向ける。そこには金色の文字で『契約魔法の使い方』と書いてあった。
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