褒美は何?
本日分。よろしくお願いします!ブクマありがとうございます!
「ケイビスお嬢様...こういうお戯れは困ります」
ロドリゲスさんが困った顔をして入ってきた女の子に声をかけた。
「ん?お嬢様?」
「そうですのよ。私はアンお姉様の妹でケイビスと申しますの。以後お見知り置きをお兄様」
「お兄様って俺のことか?」
「はい!お姉様とご結婚のお約束をされたので挨拶にこられたのではないのですか?」
「朝霧様そうなのですか!?」
「いやそんな話は一切出てないし俺とアンは付き合ってすらないけど...」
「それは少し残念ですわね。聞きたいことも聞けまし私は退散することにいたします。またお会いしましょうね」
そういってケイビスは部屋から出ていった。
「ケイビス様も困ったものですね...。誰に似たのやら」
ロドリゲスさんの苦悩が聞こえてくる。多分それは姉のせいだと思いますとは言えるはずもなく俺は話を合わせるしかなかった。
「君が朝霧悠馬君か」
またさっきのように人が入ってくる。だが少し聞き覚えのある声だ。俺がどこかで見た顔だと思っていると向こうから話しかけてくる。
「私の顔はもう忘れてしまったかな?さっき謁見の間であったはずだけど」
「王よ顔が変わっているのにそれは流石に意地が悪いかと...」
「ははは!そうだね。改めて自己紹介しようかな。一応当代の王のアレン=シック•オーガスタだ」
そう手を差し出される。
「朝霧悠馬です。アンさんの騎士ということになってます。よろしくお願いします」
俺も手を差し出し、握手をする。
「さて挨拶も済んだところで本題に入ろうか。騎士の位は仮とはいえ貴族の扱いになるんだ。特に王族直属なら尚更ね。そこで褒美と合わせて土地を進呈しようと思ってたんだけど悠馬君はそういうの欲しい?」
「土地は正直必要ないですね...。貰っても管理しきれないですし」
「だよねぇ。そう思って改めてなにが欲しいか聞こうかなって思ってたんだよ。とはいえ中々自分では思いつかなくてね。何かないかな?」
「何かですか...。難しいですね。俺は今の生活に満足していますし金銭も特に必要はないんですよね」
「じゃあそうだね。娘との婚約とかでどうかな?」
「それはアンが嫌がるでしょう」
「そうでもない気がするけどね。じゃあ娘がいいって言ったらそれでいいのかい?」
「まあ端的にいえばそうなりますかね。俺自身はアンのこと自体は色々と過ごすうちに信頼できますし」
「ロドリゲスはそれでいいと思うか?」
「王の仰せのままに」
何故かトントン拍子で婚約の話が進んでいる気がするがアンがいい感じに断ってくれるだろう。そう信じて。
このお話が面白かった方はブックマーク又は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に面白くなかった方は☆☆☆☆☆を★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです!
最後になりますがこの作品を読んでくださっている皆様に最大限の感謝を!




