アンからのお礼
今日も二回投稿します!
二日で800pvを超えました皆様ありがとうございます!
アンという美少女と別れた俺は今日のところはとりあえず帰ることにした。
「ただいま、苺」
「お帰りなさい、お兄ちゃん。ところで女の人の匂いがするんですけどもしかして何かありました?」
そう苺に聞かれた俺は大人しく女の子を助けたことを白状した。苺はただ一言お兄ちゃんらしくていいですねとだけ言っていたが目が笑っていなかった。というかなんで匂いでお兄ちゃんが女の子と会ったことがわかるんだ。とても怖い。そんな会話をしながら夕飯を食べ、部屋に帰った俺は少し驚いた。
何故なら早速アンさんからメッセージが来ていたからだ。俺は早速ウキウキでそのメッセージを開く。
『こんばんは。悠馬さんであってますか?』
『こんばんは。アンさん、俺が悠馬以外ならその聞き方だと返信が来ないと思いますよ』
『言われてみると確かにそうですね。今度から別の聞き方にしてみようと思います。さて話題は変わるのですが、ご迷惑でなければ明日そちらに伺っても宜しいでしょうか?』
『多分大丈夫だと思う。一応妹に許可を取っておきます。アンさんはどこらへんに住んでいるんですか?よければ迎えにいきますよ』
『私は学院の近くです。いえ、命の恩人に迎えきていただくというのは流石に忍びないので自分で出向こうと思います。悠馬さんの家はどちらにありますか?』
『俺の家は市街地の方だよ。わかりやすい場所にあると思うから後で地図を送っておくよ』
『ありがとうございます。ではまた明日、お伺いしますので』
そんな感じで会話は終わったわけだが俺はずっと何かが引っかかっていた。
「アンってなんかどっかで聞いた気がする名前なんだよな...」
そう出会った時から考えているが答えが出ない。どこかで見た容姿、どこかで聞いた名前なのだ。
「まあわからないことを考えても仕方ないし明日に備えて寝るか。苺にも伝えとこう」
俺の『アルカディアの明日』での初日が終わった。
「おはようございます、お兄ちゃん!」
「おはよう」
今日も朝から元気な苺に起こされる朝だ。
昨日の怖い雰囲気は全然しないし、機嫌は直ったらしい。
「そういえばお兄ちゃん今日お客さん来るんでしたよね。男性の方ですか?」
「いや女の子だけど......」
「あっそうなんですか......。わかりました」
なんだ?苺の元気が一気になくなって昨日とおんなじような雰囲気になってる気が......。
《ピーンポーン》
「きたみたいだから行ってくるよ」
「はい......」
「初めまして、アンと申します。この度は悠馬さんに助けていただいたお礼を直接お伝えしたく伺わせていただきました」
と苺に優雅なお辞儀をしながら自己紹介をしてくれるアンさん。
「初めましてアンさん。私はお兄ちゃんの妹の苺と言います。態々ありがとうございます」
何故かお兄ちゃんの妹の部分を強調して伝える苺。
「苺ちゃんですね。よろしくお願いします。お話は変わりますが悠馬さん昨日は危ないところを本当にありがとうございました。これお礼です」
とアンから箱を差し出される。
「開けても大丈夫?」
「はい、悠馬さんの為に持ってきたのでどうぞ開けてください」
許可も取ったので早速箱を開けていく。
すると中から指輪が出てきた。
「指輪......?」
「はい、これは持ち主の魔法威力を高めるというものです。私には事情があり不要なものなのでよければと」
「いやそれって結構お高いものなんじゃ......」
「いえいえ、お礼ですのでその辺はお気になさらず」
涼しい顔をしてこの世界において最高級の物を助けられたお礼にと渡せる人物。
俺はこの時一つのことを思い出した。出会いが暴漢を退治するイベント、お礼が魔法威力上昇の指輪、見た目の銀髪、アンという名前。この子は『アルカディアの明日』のメインヒロインだったアンリエッタ=シック•オーガスタだ。
俺は気づかないうちにヒロインの1人と出会ってしまっていたらしい。
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