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リタという女の子

今日も頑張って二話更新します!昨日もブックマークありがとうございました!

「リタ、それがお前の本性なのか?」

「さあ?どうでしょう。これが私かもしれないですしそうじゃないかも知れませんね」

 飄々と言ってのけるリタ。

「なるほど、そう簡単には答えないと」

「当たり前じゃないですか。もう私に殺されるだけの貴方とそこの精霊に何か教える事がありまして?」

「リタのその余裕がいつまで持つか楽しみだよ」



 そう俺が言った瞬間、リタの立っていた壁が崩れ落ち人が2人の人影が見える。

「なっ!どうやってここを崩したんですか」

「そんなもの決まってるじゃないか。アンリエッタさんが開けてくれた魔法の穴を、僕とこの子でさらにこじあさらにこじ開けただけ」

 と入ってきた雄がリタに解説してくれる。

「そんな力技できるはずが...」

「いやリタ、それができる人間が一人だけ存在してるだよな」

「お兄ちゃん無事!?」

 苺が少し遅れて入ってくる。

「無事だよ。苺も大丈夫だったか?」

「私なんて全然大丈夫だよ!リスタのお陰で魔力量も増えたし」

 頼もしいことだ。さて、これでリタの余裕を少しでも削れてくれたらいいのだが。

「な、中々やるわね。じゃあ私の役割はここまでだから」

 といいリタの意識がふっと無くなる。するとこの結界ごと消えて無くなった。

「どういうことだ...?」

 俺は増えた疑問に更に頭を悩ませるのだった。



「あれ、私何を...」

 ベッドから目覚めたリタの開口一番セリフがそれだった。

「貴女もしかして覚えてないんですか?うちの兄を危険な目に」

 俺は苺の言葉を途中で遮る。

「苺ちょっと2人にしてもらってもいいか?」

 そう言って苺には出て行ってもらう。

「お兄ちゃんが言うなら...気をつけてね」

 そういい苺が部屋から出ていった。

「リタはそっちが本性なんだな」

 俺は半ば確信を持って問う。

「またあれが暴走したのですか...」

「リタあれはなんだ?正直言ってかなり良くないものに見えたが」

「あれは私に憑依した神です...。そうですね、まずはこの世界の話からしましょうか」

 そう前置きしたリタが語り始める。



 元々この世界は1つの世界だったらしい。そしてその世界を創り上げた7柱の神の存在が崇められていた。しかし、これに疑問を覚えたのが当時の賢者と呼ばれていた男だった。

 果たして世界をたった7柱の神で創れるものなのか。男は幸い命知らずだった。直接神に質問できる機会を得た男は神にこう尋ねたという。

「貴方達は本当に世界を創った神なのか」

 神からの回答は沈黙だった。男はそこで完全に神に対する信頼を失くした。

 そこで彼は神に干渉されない世界を創り上げた。それが現在俺達のいるアルカディアだったり、アンの故郷オーガスタだったりするらしい。そうして元の世界の神がこちらの世界に天使や7柱以外の神を送り込んできているというのが現在だ。



 ですがとリタが言う。

「私のように外の世界、つまり神がまだ信仰されている世界から送り込まれる人間もいるのです」

 神からのスパイといったところだろうか。

「こちらの世界に来る時に膨大な魔力や普通に人にはない能力を得る代わりに神の一部が体に憑依します。それが悠馬さんの言っている私なのです」

「なるほどな。でもリタではそいつをどうにもできないと」

「そうですね...。私にはとてもどうにかできる代物ではありません」

「リタはどうにかしたいと思ってるの?」

「私は、私はできるのであればこの状況から脱したいと思ってます。本当は私だって普通に買い物をしたり、年相応に恋愛をしたりしてみたいです...」

 リタはそういい、目に涙を滲ませる。



 俺は心の中でアンに謝る。何故ならアンからお礼としてもらった指輪を使わないといけないからだ。あの指輪アンは魔力増強と言っていたが実は効果が違う。多分年数を重ねるごとに効果がわからなくなったのだと思うがこの指輪の本質は封印なのだ。

「リタ、本気で追い出したいと思うならこの指輪にそいつを映すイメージを頭で描いてくれ」

「わ、わかりました!」

 きっと今リタの頭の中ではこの神の一部を追い出すというイメージが描かれているだろう。俺はそこである魔法を唱える。これはリスタに教わったわけでもなく、練習したわけでもないので一発勝負だ。

 失敗しないようにと俺は心で祈りながら魔法を唱えた。

 無属性魔法の根源魔法の1つだ。魔法名はない。

 それを使った瞬間リタの体の中から何かが指輪に向かって移動した。

「リタ多分終わったと思う。自分で確認してみてくれ」

 と俺はリタに自分の体を確かめるように促す。

「今まであった違和感が綺麗さっぱりなくなってます...。ありがとう...ございます」

 涙を流しながらリタにお礼を言われ抱きつかれる。こう見るとリタも年相応の女の子だったんだなと俺は実感する。



 リタに対して結界魔法を使ったお咎めはなかった。理由は被害者である俺が無傷でなおかつ何もなかったと証言したからだ。

 そういえばあの後桜からもお礼を言われた。桜は任務達成を報告する為に一度国に帰るらしい。少し寂しくなる。

 ただ一つだけ問題があの日から起こっており、リタが俺から離れないのだ。何処にいく時もついてくる。

 俺はまた一つ悩みの種が増えたのだった。

このお話が面白かった方はブックマーク又は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に面白くなかった方は☆☆☆☆☆を★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです!


最後になりますがこの作品を読んでくださっている皆様に最大限の感謝を!

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