アンと苺との放課後デート
二話目よろしくお願いします!
「お兄ちゃんとの買い物はデート以来だね」
そんなことを言いながらルンルンで歩いていく苺。
「苺ちゃん一応私もいるんですけどね......」
とアンが小声で自身の存在を訴える。
「そう、私が今日ご機嫌な理由はそれなの!アンも居るから私は今日お兄ちゃんとお姉ちゃんと買い物に来ている感覚になってるんだよ」
「なるほど......。そういえばそれで思い出したのですが、私の妹が苺ちゃんと同じ学院に入学するって言ってましたね」
「えっ、アンって妹居たんだ」
俺は驚いた。もしかしてファンディスクとかでヒロインになる予定だったのかな。
「まあ皆さんと過ごしていると忘れられがちですけど私の実家は王族ですからね。姉妹、兄弟ぐらいは居ますよ」
確かに言われてみると当たり前だ。王族なのだから血筋を残すのは使命だしな。
「アンに妹が居たとしても私はアンをお姉ちゃんと思い続けるからね......」
そう苺の悲痛な叫びが後ろから飛んできた。
「そういえば今日は何を買いに来たんだ?」
「その、今日は明確な目的はなくてですね。所謂ウィンドウショッピングというやつを私がやってみたくて」
アンが少し照れながらいう。
「なるほど。ウィンドウショッピングなんて確かに学生の間じゃないとできないしな」
そんなことを言いながら俺達はウィンドウショッピングを楽しむことにした。ちなみにリスタも呼んだが眠いということで家で寝ている。なんか最近リスタは忙しそうだが1人で何かやっているのだろうか? また帰ったら確認しよう。
「悠馬さんどっちがいいと思いますか?」
アンが服を2着持って俺に聞いてくる。思い出されるのは苺の時......。
「アンはどっちも似合うと思うけどどちらかというと右かな」
俺は苺との時の失敗を活かしてそう発言する。
「じゃあこっち買ってきます!」
と試着もせずに買いに行くアン。せめてサイズとか間違っていると困るので少し試着して欲しいところだが。
「お兄ちゃん、私とのデートをしっかり活かしてて偉いね」
と何故か苺からニヤニヤ顔で褒められた。普通そこは怒るところじゃないのか?
しかし一歩引いたところから見ていると思うが苺とアンは本当に仲が良い姉妹みたいだなと思う。苺に告白されてから返事もできてないし少し俺は気まずかったんだが、アンがそれを上手く取り持ってくれたように思う。本当に気が効くいい子だ。
「そういえばアンとお兄ちゃんはデートの終わり際に星見に行ったんだよね」
「えぇそうですね」
とアンが少し恥ずかしそうに頷く。
「アンも中々ロマンチックなことするよね」
そんなことを言いながら苺は思いついた!みたいな顔してこんなことを言う。
「そうだ今日ご飯食べたあと星見に行かない?」
「いいぞ」
「私もいいですよ」
とそんな感じで俺らは星を見に行くことになった。今日も晴れてるし綺麗な星が見れそうだ。
「わあ、ここすごいね!」
苺が興奮しながら俺達にそんなことを言う。
確かに前回来た時よりも景色がはっきり見えるかもしれない。
「何か前来た時よりも綺麗に見えますね」
アンも同じことを思っていたらしい。
「俺もちょうどそう思ってたんだ」
「なんでなんでしょうね?」
とアンがこちらに微笑みかけてくる。
「こら2人でいい雰囲気にならない」
と苺に怒られる。それはそうだな。今はアンと苺と来ているのだから。
橋を堪能した俺達はリスタにお土産を買って帰路についた。
俺は布団の中でふとこんなことを考える。実は『アルカディアの明日』には隠しヒロイン1人がいるのだが俺はそのヒロインのことを何も知らない。いや何もは少し語弊があるか。名前だけしか知らないが正しい。なんせ殆どの情報が公式から隠されていたのだ。
名前は確かリタだったか......?
俺はどうやってこの人物を探し出すか考えながら眠りについた。
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最後になりますがこの作品を読んでくださっている皆様に最大限の感謝を!




