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アンとのデート

今日も二話更新します。昨日日刊pvが自身最高の700pvを超えました!本当に感謝しかありません。

もうすぐで3000pvも超えそうで本当に私にとっては夢のようです!重ねてになりますが感謝申し上げます。

 リスタとのデート?が終わり、「悠馬きばれよ」などと最近耳にしたことがない日本語で応援された俺はアンとの待ち合わせ場所に向かっていた。




「姉ちゃんいいだろ、その待ち合わせの人が来るまでさ〜」

「なぁ俺達といいことしようや」

「嫌です。触らないでください」

 待ち合わせ場所について初めに目に入ったのはアンがごろつきに絡まれているところだった。

 俺は急いでアンを助けに行くことにする。



「ごめん、待たせたな」

「あっ悠馬さん...」

 アンは心底安心した表情をする。そんな表情をされるとちょっと照れるんだが。

「姉ちゃん待ち合わせの相手はこいつか?」

「ええそうよ。悠馬と比べたら貴方達なんて話にならないレベルです」

 出会った中で最高に可愛いかもしれない笑顔でごろつきに伝える。

 俺は内心穏やかではなかった。そんなことを言ったらこの人達は俺に危害を加えにくるだろう。



「ほお、言ってくれるじゃねぇか。おいこいつ絞めるぞ......ってどうした?」

 ごろつきの1人が若干怯えて、荒ぶってるそいつに耳打ちをしている。

「なんだ?やらないのか?」

「いや、すいませんでした。俺らはこれで」

 ごろつき達は勝手に去っていった。どういうことだ?よくわからないが助かった。魔法を使わずに済むのであればそれに越したことはないしな。



「アンはなんでさっきあの二人を挑発するようなことしたの?多分あのまま普通にやってれば切り抜けられたのに」

「あっえっと、いえそうですね。すいません。またあの悠馬さんの見事な氷魔法を少し見たくて......」



 思えば俺はアンを助けた日以降アンの前で魔法を使っていなかったことを思い出す。

「じゃあ少しだけな」

 俺はそういい氷の創造魔法を使う。創造魔法と言うのは物の形を魔法で作るというものだ。俺はその創造魔法を使い、アンの為に可愛い猫の氷像を作る。この氷像は魔力を込めた量によって溶けにくさが変わる。今回はかなり多めに込めたので30年は溶けないはずだ。

「ほらこれあげるよ」

「いいんですか?このレベルだと人に売ってお金を取れるレベルだと思いますけど......」

「いいの。俺がアンにプレゼントしたいって思ったんだから。それとも受け取ってもらえない?」

「いいえ、喜んで受け取らせていただきます!悠馬さんありがとうございます」

 にこっとはにかむアン。

 その笑顔が欲しくて作ったところもあったのでリアクションとしては100点だ。



「でアンはどこかいきたいところある?」と聞いたところ、今さっきの猫の氷像を貰った嬉しさで立てていたプランが全部頭の中から消えたらしいので俺達は映画を見にきた。初デートで映画、我ながら女性経験の少なさが如実に出ていると思う。

「どれを見ましょうか?」

 映画の種類は様々だ。ホラーやアクション、恋愛に至るまで。

「俺はこの恋愛のやつが少し気になるかな」

「じゃあそれにしましょう!」

「アンはこれでいいの?」

「悠馬さんが見たいものならそれは私も見てみたいものなので大丈夫ですよ」

 という良くわからない意見で押された。まあいいか、可愛いし。俺はふと思う。俺、アンと行動している時全部かわいいしで解決してないか?可愛いは正義なので別に問題はないけど。



「悠馬さん中々いい映画でしたね...。私泣いてしまいました」

 そういうアンの目は少し赤くなっていた。

「俺も結構感動した。いいよな、身分の差の末に成り立つ恋っていうのは」

 そう俺がチョイスした映画は恋愛系ながらも見事に身分差の恋を描き切った感動作だった。

 不覚にも俺も上映中泣いてしまった。いいヒューマンドラマだった......。

 その後ご飯に行った俺達は解散の流れになるはずだったのだが、アンがどうしてもいきたいというのでこの町を一望できる山の上に来ていた。


 

「なんでここに来たかったの?」

「悠馬さんと星を見たかったというのと、私貴方に大切な話をしないといけないと思ったので......」

「大切な話?」

「はい、よく聞いてくださいね。私は実はオーガスタ王国の姫なのです。本名をアンリエッタ=シック•オーガスタと言います」

「そうだったのか」

「あんまり驚かないんですね」

「いやこれでも結構驚いてるよ。アンがお姫様だなんて思わなかった」

 知らなかったというていで話を進める。何故ならこれを打ち明けるアンの心情を俺も理解できるからだ。もしかしたら今までと同じ関係を続けられないかもしれない。そんな不安もあると思う。実際彼女の美しい青の瞳は不安に揺れているようにみえるのは気のせいではないだろう。



「悠馬さんや苺ちゃんやリスタさんに身分偽って近づいたのは申し訳ありません。私には貴方達の様な普通の日常がとても眩しく見えたんです」

 少しの沈黙の後ぽつぽつとアンが話し始める。 

「私はオーガスタ王国では所謂、箱入り娘だったのです。お母様やお父様からは大切にされ妹にも恵まれ、嫌であれば社交の場も断ることを許される立場に甘えたわがまま娘だったわけです。だからこそより一層貴方達の様な人が眩しく見えました。私を救ってくれたヒーローにそのヒーローのことを慕っている女の子。まるで物語の中みたいじゃないですか。そんな日常に私も触れていたくて、お姫様としての私ではなく普通の女の子としての私を見て欲しかったんです。だけどこの1週間でわかりました。私には過ぎた場所だと......」  そこで一度アンの言葉が止まる。涙を流しながら俺に必死に伝えてくれる瞳には何が写っているのだろうか。



「だから最後にお別れの挨拶をきちんと言いたくて...」

 アンは途中から泣きながら途切れ途切れで言いたいことを俺に全てぶつけてくれた。



「アンはさ、俺と苺とリスタのことが嫌いになったの?」

「そんな訳......ありません......」

「じゃあなんで離れる必要があるの?別に俺達はアンが王女だろうがそうじゃなかろうが気にしない」

「でも、私は身分を偽って貴方達を利用したとも取れる訳ですよ!そんな狡猾な女を許していいわけがないじゃないですか」

「アンあのな、俺達は別にお前に利用されたなんて思ってない。それに、少なくとも俺はアンが俺を利用したいならそれはそれでいいと思ってる」

「でもそれは余りにも......」

「余りにもなんだ?都合がいいって?それでいいじゃないか。俺は少なくともアンの真っ直ぐなところに惹かれたんだ。別に腹黒だろうがなんだろうが今更気にはしないさ」

「そんな言い方ずるいですよ......。折角一人で決意したのに離れられなくなるじゃないですか......」

「俺はアンさえよければ学院でも仲良くしてほしいと思ってるよ。勿論、アンの意見を尊重するしアンが俺達から離れたいと思うならそれはそれだ」

「いえ、私も本当は貴方といえ、貴方達と離れたくはないのです!これからもこんな私ですが仲良くしてください」

 こうして学院が始まる前の最大のイベントを俺は乗り切ったのだった。

このお話が面白かった方はブックマーク又は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に面白くなかった方は☆☆☆☆☆を★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです!

最近モチベが上がりまくりなので是非お願いします!

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