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小話 ~もしもスキルが……~


エイプリルフールのネタになります!




   異世界にいつの間にか来ていた

   "三河 郁人"。

   自身の創作キャラである"チイト"に

   出会い、夢で出会った女神である

   "ライコ"にあんたが描いた創作キャラを

   なんとかしろと、あるスキルを授かった。


   そのスキルとは……


   ー「"魔法少女(偽)"ってなに?!」


   スキルを発動した郁人は叫んだ。


   ーーーーーーーー


   ライコに使ってみなさいと言われ、

   部屋で試しにスキルを使ってみた

   郁人は心から叫ぶ。


   「え?! なにこのスキル?! 魔法少女

   って俺は少女じゃなくて青年なん

   だけど!!」 

   〔だって、あんた貧弱すぎるんだもの。

   戦闘スキルで強化しても英雄候補の

   足元にも及ばない。それじゃあキャラ達

   を止めるなんて夢のまた夢。だから

   これなら身体強化も出来て、戦闘も

   行える。一石二鳥じゃない!〕

   「小さくなってるのに?!」 

 

   郁人は部屋にある姿見で今の自身を見る。


   髪はゆるく編み込まれ、フワフワのリボンの

   髪飾りで留めてあり、ネコ耳まである。

   首元も大きなリボンが飾られ、フワフワの

   スカートにレースの靴下、靴にもリボンがあり 

   まさにロリータファッションだ。


   「すごい……ロリータってやつだな。

   魔法少女って感じよりはこう……カードを

   集めて杖に乗って飛んでそうな感じ」

 

   妹が見ていた再放送のアニメに出てきた

   キャラに似ているなあと思いながらため息を

   吐く。

    

   〔意外と似合ってるじゃない、あんた。

   性別まで変えるのは可哀想かなと思って

   変えなかったけど、性別が気にならない

   くらい似合ってるわ。ベルトを巻いて変身

   するのもあったけど、こっちで良かった

   わね!〕 

   「性別まで変えられそうになってたのか

   ……って変身ベルトの選択もあったの?!」


   そっちがいいと告げる郁人にライコは声色を

   曇らせる。


   〔そっちだといちいちベルトを巻いて変身

   って叫ばないといけないし、あんたの身体

   能力もさほど上がらないから魔法少女に

   したのよ。こっちのほうが叫ばなくても

   心で念じるだけでいいし、変身してるときに

   受けたダメージもそこまで影響を受けない

   から〕

   「ベルト巻いて変身って言うのもカッコいい   

   と思うんだけどなあ!」


   ロマンがあると思うよ! と訴える郁人の

   耳に声が届く。


   「パパ……?」


   朝食が出来たと伝えに来たチイトの声だ。

   チイトは郁人を見て目を見開いている。


   「えっと……その……これは……」

   「パパが小さくなってる! しかも

   かわいい服を着てる!」


   ドン引かれるなあと顔を青ざめていた郁人を

   目を輝かせたチイトが勢いよく抱きしめる。


   「パパなんで小さくなってるのか気になる

   けど、そんなことどうでもよくなるくらいに

   カワイイ! パパってばこういった服を着た

   かったの? 俺に言ってくれれば用意したのに!

   今からでも用意しよっか?」

   「違うから! 俺の趣味でもないから!

   これはスキルの影響で……」


   カワイイカワイイ! と郁人を頬ずりする

   チイトに説明する。


   「魔法少女(偽)っていうスキルのせいで

   こんな姿になってるだけだから!」

   「魔法少女(偽)? ……なるほど。たしかに

   パパのスキル欄にあるね、それ」


   チイトは郁人を片手で抱き上げると、

   もう片方の手でスクリーンを確認した。


   「へえ、俺達(創作キャラ)を力付くでも止めれるように

   このスキルをパパに与えたんだ。

   たしかに身体能力もかなり上がってるし、

   魔法が使えるようになってる。怪我しても

   変身を解いたらある程度は治るようになって

   るからいいスキルだと思うよ?」

   〔なんであんたは道具無しで見れてる   

   のよ! しかも詳しい内容まで見てるし!〕


   ライコが思わず声をあげるなか、チイトは

   あごに手をやる。


   「それにしても……衣装は1パターンしか

   ないのが残念だな。変身のたびに変わるように

   変更しておくか」

   〔ちょっと!! なに当然のようにスキルを

   改ざんしてるのよ!! わああ!! スキルがあんた

   限定で書き加えられてるし!! あたしじゃ

   ないと変更出来ないようにしてるのに!!〕

   「貴様はパパを通して世界を見ている

   のだろ? なら、そのパスを辿れば貴様に

   辿り着き、改ざんも出来る。

   えっと、パパにわかりやすく言えば

   Wi-Fiって言えばいいかな? この駄女神と

   パパは同じWi-Fiを使っていて、俺はその

   Wi-Fiに侵入して駄女神の携帯をハッキング。

   そこからパパのスキルの仕様を一部変更

   したんだよ」

   「……とりあえず、ハッキングはやめてあげて。

   すごいことをしてるのはわかったから」


   脳裏にライコが泣きじゃくる姿が浮かんだ

   郁人は制止した。


   「わかった。こうやってハッキング

   するのも流石に疲れるからね。

   ……こうしてパパの小さいときの姿が

   見れるなんて! 1度だけでも見てみた

   かったんだよね!」


   顔を紅潮させたチイトはベッドに座り、

   郁人を自身の膝に乗せる。


   「パパの小さいときってどんな感じなのか

   気になってたから見れて本当に嬉しいよ!

   しかもこんなにカワイイ姿だし!」

   「俺は複雑だけどな……。変身ベルトの

   ほうがよかった」

   「ええ?! とってもカワイイのに?!」

   

   肩を落とす郁人にチイトがなんで?

   と疑問を口にしていると……


   「イクト、なかなか来ないがどうか

   したのか?」

   「体調が悪いのかしら?」


   降りてこない郁人に何かあったのかと

   心配したジークスとライラックが来た。

   魔法少女(偽)の姿を見られた郁人は顔を

   青ざめる。


   「あの……これは……!!」

   「イクトちゃんとっても可愛いわ!!」

 

   目を輝かせたライラックがチイトの膝に乗る  

   郁人を抱きかかえる。


   「まるでお人形さんみたいだわ! 妖精

   さんとも言うべきかしら? ますます

   可愛くなったのね!」

   「イクトがどうしてそのような姿に 

   なっているのかはわからないが……。

   女将さんの言うようにとても愛らしい。

   だから気にすることでもないのだろう」

   「いや、頼むから気にしてくれ。

   服装はともかく、一晩たったら親友が

   子供になっていたとか問題だからな」


   ライラックに撫でられながら郁人は

   親友の言葉にツッコミをいれた。


   ーーーーーーーー


   そして、キャラ達に出会うために旅に出た

   郁人だったが……


   「今回は俺がデザインした黒のゴシック

   コーデだよ! ユーが協力したからところ

   どころユーのモチーフが隠れてるけど」

   「イクト、次はこのコーデを着てみないか?

   ドラケネスで有名なものでフリードゥリリィ

   をモチーフにしたドレスだ。君に似合うと

   思う」

   「郁人には白のワンピースといった

   シンプルなのが似合うだろ。次はこれだ」

   「我が君にはこの着物が似合うかと。

   花々が協力し、体調面にも配慮された

   素晴らしい着物ですので」

   「ぬし様にはこっちも合うと思いますよ?

   この鳥がモチーフの着物になりますれば。

   動きやすさに配慮してますのでこっちが

   よろしいかと?」

   「コイツにはマリン系統がいいだろ。

   人魚もモチーフで歌劇で歌うにも問題

   ねえからな」

   「あの……あるじ様にはこっちが良いと

   ……思います。ハロウィン……仕様で   

   イベント……でも着れるので」

   「僕はアリスとか良いと思うよ!

   お揃いで双子コーデしたいから!」


   それぞれが郁人に似合うのはこれだと

   主張しあっている。

   魔法少女(偽)のスキルは戦闘で使われる

   ことなく、着せ替え人形ととして使われ

   ていない。むしろ、戦闘で使おうとしたら

   止められる始末。週に2回こうして着せ替え

   大会が行われている。


   ポンドとヴィーメランス、マモンは

   その主張を止めに入る。


   「あの、マスターの目が死んでますので

   その辺りに……」

   「父上に自身の趣味を押し付けるな!」

   「親父殿が着たいものにしてやらんか。

   親父殿も好んでその姿になっている

   わけではないのだぞ」

   〔……あたしが言うのもなんだけどその

   スキルを与えてごめんなさいね。こう

   なるとは思わなかったのよ〕


   そんな着せ替え大会を見て、ライコは

   謝った。


   (俺もこうなるとは思わなかっったよ。

   ただ……このスキルを与えるのは検討を

   重ねまくろうな。俺みたいに着せ替え人形

   になる可能性があるから)


   郁人は遠い目をしながらライコに

   忠告した。


   ーーーーーーーー


   「はっ?! 夢か……!!」


   郁人は汗でぐっしょりになりながら

   目を覚ます。


   「よかった……!! 魔法少女とかは無かった

   んだ!! ロリータファッションは妹みたいな

   可愛い子が着るから良いのであって俺みたい

   なのが着ていいわけがないからな……」


   夢でよかったと郁人は水を飲もうと

   冷蔵庫に向かう。

   

   「……本当に夢でよかった」


   水を飲み、心身ともに落ちついた

   郁人はホッと胸を撫で下ろした。




ここまで読んでいただき

ありがとうございました!

面白い、続きが気になると

思っていただけましたら

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