元勇者、レバニア国の現状を知る
「お久しぶりです、ノエル様。」
「元気そうで何よりだ、サーニャ。」
久しぶりにレバニアでガッシュ将軍の補佐役をしているサーニャがハノイ村にやって来た。
シュヴィア領になった、と言っても特別な許可はいらず自由に往き来出来るようにしてもらっている。
「改革の方は捗っているのか?」
「国民の皆さんにも積極的に参加してもらっています。今までの身分制度に不満がやっぱりあったみたいで。」
現在、レバニア国は新しい国作りをしている。
今までは旧王族や一部の貴族が自分達の利益になりそうな事ばっかりをやっていて、普通の民達の声が届く事が無かった、という。
しかし、旧王族と一部の貴族達が処罰された事で、国民の声が通りやすくなった。
更に国民の声を集める為に『国民会議』を作る事になった。
要は平民だろうが貴族だろうが身分に関係なく、政治に意見出来る様にした。
その取りまとめをしているのがガッシュ将軍で、その補佐役をサーニャがしている。
「お父様、頭から湯気をあげながら仕事していますよ。」
「あの人、武芸一筋みたいだからな。政治となるとまた違うだろうしな。」
「私も不慣れですけど、何とかお父様のサポートをしております。」
「僕達も意見出来れば良いんだけど、無理だからね。」
ミレットがすまなそうに言う。
「サーニャお姉様、後始末を押し付ける様な事をしてしまってすみません。」
「ミレット様とキャミー様は悪くありませんよ。」
ミレットとキャミーが謝罪すると慌てて手を横に振りながら慌てて言う。
「でも、国を変えようとする決意はある訳だから、完全崩壊するよりはマシだよな。」
「えぇ、国民達も今まで王族に任せていたのを反省しているみたいです。王族にはある程度の制限をつける様に動いています。」
「制限というと?」
「法を成立させる為には国民の許可をとらないといけない、とかですね。独裁を許してはいけない、と。」
ちゃんと考えているみたいだな。
一回は見に行った方が良いかもしれないな。




