元勇者と料理人
開拓団のメンバーは様々な職業がいる。
その中の一人、料理人の『クワイア・カマスロ』は、シュバルツの推薦で開拓団に参加した、という。
元々は王族専属料理人として頑張ってきたらしい。
努力のかいあってシュバルツ専属の料理人になったが、世の中というのはそう簡単に上手くはいかない。
そこからスランプに陥ったらしく、味が安定しなくなったらしい。
プレッシャーやらストレスで結構大変な事になったそうで、シュバルツも心配して一時的にお城を去る事と開拓団の話をして本人も参加する事になった。
で、村にやって来てまずやったのは食材調査だったのだが‥‥‥。
「これは素晴らしいですよ! 高級食材のキノコとか山菜ばっかりじゃないですか!」
「そ、そうなのか‥‥‥? 普通に良く取って食べていたんだが。」
「はいっ! なかなか手に入らない食材ばっかりですよ!」
それは肉も同じでサラが狩りに良く行くのだが、野獣達はその森のドングリ等を食べているから、肉質が凄く良いらしい。
という事で、クワイアにとっては『宝の山』なんだそうだ。
「この村って、もしかして凄く資源に恵まれているのか?」
「何を今更言ってるんだ?」
身近過ぎて全然気づかなかったよ。