幕間 とある王国にて
この世界には大小様々な国が存在している。
その中でも大きな国が二つある。
『レバニア王国』と『シュヴィア王国』
他の国はこの2国のどちらかと同盟を結び援助をしてもらいながら国を維持していた。
因みにノエルの住むハノイ村はレバニア王国領に当たるのだがシュヴィア王国領との境界線ギリギリにある。
ただ、流石に魔王討伐に関してはレバニアもシュヴィアも手を結び勇者パーティーを援助していた。
シュヴィア城 執務室
「父上、お呼びでしょうか?」
「『シュバルツ』、魔王討伐の話は聞いているな?」
「えぇ、領民達はお祭り騒ぎですよ。」
「そうなんだが・・・・・・。」
「父上、レバニアから勇者が出た事を気にしているのですか? それは仕方がない事ですよ。暫くはレバニアには良い顔をさせておきましょう。」
「いや、別にそれは気にしてないし勝手にすれば良い。だが問題がある。」
「問題?」
シュヴィア王国、国王である『サリウス・シュヴィア三世』は息子である『シュバルツ・シュヴィア』第一王子に一枚の紙を見せた。
そこには勇者パーティーによる魔王討伐の報告が書かれていた。
「私は勇者殿に直接あった事が無いし顔もわからない。ただ、この報告書には勇者として『カイン・レバニア』王子の名前が書かれている。シュバルツ、お前はどう思う?」
「・・・・・・あり得ないですね。アイツは剣の腕なんて無いですよ。」
シュバルツは国との交流試合でレバニア王国の王子である『カイン・レバニア』と戦った事がある。
結果はシュバルツの圧勝でカインはボロボロにされた。
「アイツはわがままでプライドの固まりみたいな奴ですからね。アイツが勇者だったら私は英雄になってますよ。」
「私もこれには疑問がある。そこでだ、シュバルツ、魔王城に行き調査をしてもらいたい。近日中に凱旋記念パーティーが行われる。行われる前にこのモヤモヤをハッキリさせたいのだ。」
「わかりました。すぐにでも向かいます。」
「出来れば、レバニアには気づかれないように極秘で進めてほしい。」
「はいっ!」
こうしてシュバルツは魔王城へと向かった。