元勇者、合う合わないの話をする
子供達が来て数週間が経過。
最初はビクビクしていたが日が経つに連れて村の環境に慣れていった。
そんな中でもやはり、一番気になるのはルーシェだ。
子供時代のステラにそっくりなルーシェは俺の事を『お兄さん』と呼んでくれる。
ステラは呼び捨てだったから、そこに微妙な違和感を感じたりする。
それはアイナも一緒だったみたいで‥‥‥、
「ステラってたまに腹黒い笑顔をする時があったのよね。」
「そうか? 俺は人を馬鹿にした見下した様な顔をよく見たぞ。ルーシェの様な純粋な笑顔は余り見た事が無い。なんで、あんな性格になってしまったのか‥‥‥。」
はぁ~、と溜め息が出る。
「地味な田舎から派手な王都に来ちゃうと大体被れちゃうわよ。私もそうだったから。」
「えっ!? アイナもかっ!?」
アイナはコクりと頷く。
「私、小さい頃は地味だったのよ。学校に通い始めてからよ、見た目にも気を使うようになったのは。」
「そういうもんなのか‥‥‥。」
俺なんか貧乏暮らしで毎日ギルド行って依頼をこなして、その日その日を生活していくのに大変だったな‥‥‥。
当然、王都のきらびやかな部分等経験した事無いし、正直レバニアの王都は好きじゃ無かった。
それよりも村の雰囲気の方が好きだ。