元勇者、シンシアの過去を知る
「私、元々は孤児でしてね、結構色んな修羅場をくぐって来たんですよ。でもそのお陰で銃器の扱いなら誰にも負けないぐらいに強くなって帝国にスカウトされて銃騎士という役職を頂いて将軍まで登り詰めたんですよ。」
ニコニコ笑いながら話しているが内容と合っていない。
「よくそんな笑顔で話せるな・・・・・・。」
「軍時代は、こんなに表情豊かでは無かったんですよ。昔は『銃殺姫』なんて呼ばれてましたね。」
また、物騒な二つ名をつけられてたなっ!?
「って事は魔王軍相手に戦っていたのか・・・・・・。」
「そうですね、当時は魔物もありましたし人間も相手にしてましたね。まぁ、死なない程度に何発も撃ち込んでましたけど。」
「何発って・・・・・・。それで、何でシスターになったんだ?」
「ノエルさんと一緒ですよ。」
「俺と?」
「はい、私も勇者パーティーの一員だったんですよ。」
えっ!?俺の他にも勇者に選ばれた奴がいたのかっ!?
「ノエルさんの一つ前の勇者ですよ。私は王様に頼まれて加わったんですが、その勇者が人間的に歪んでて魔王討伐そっちのけでハーレムを作る、とか言って勇者以外はメンバーはみんな女性で私も口説かれたりしました。何度蜂の巣にしてやろうかと思いましたよ。」
・・・・・・まぁ、クズだな。
「最終的に勇者から一方的に追放されたんです。武器や防具は没収されて、体一つで追い出されて教会に駆け込んでそのままシスターになったんです。兵士時代は、常に戦ってましたから荒れてましたね。でもシスターになってからは心に余裕が出来たおかげで笑えるようになりました。でも一応護身用につけてはいるんですよ。」
その後、その話をサラに話したら、どうやら魔王軍のブラックリストに載っていたのを見たらしい。
『要注意人物』としてマークされていたらしい。
因みにサラはシンシアを追い出した勇者達と戦ったらしいが相手にならなかったらしい。




