元勇者、シンシアの秘密を知る
子供達が来て数日が経過した。
子供達は適応力が高くて村の環境にはすぐになれた。
やはり、自然と接するのが子供の環境には一番良いんだろうなぁ。
さて、シスターシンシアだが、最初はただのシスターだ、と思っていたがどうも身のこなしが冒険者をやっていた様に思える。
柔和な感じがするんだけどなぁ・・・・・・。
それはサラも同じみたいでシンシアの動きをジッと見ている。
「サラ、シンシアの事気になるのか?」
「うむ、同じ武芸者の匂いがするんだ・・・・・・。」
「会った事があるとか?」
「いや、しかし顔はどこかで見た事あるんだ・・・・・・。」
ふむ、知り合ったばかりであんまり過去をほじくる様な事はしたくはないんだけどなぁ。
まぁ、意外な形でシンシアの正体を知る事になる。
それは、シンシアに森の中を案内していた時の事。
「ここら辺は俺が小さい時に遊んでいた場所なんだ。」
「森の澄んだ空気が気持ちいいですね。」
「ただ、たまに野獣が出たりするんが・・・・・・。」
と、茂みがガサッと動いた。
思わず身構える。
どうも気配を感じるな・・・・・・。
すると、いきなり破裂音がした。
パァン、パァンと渇いた音が2発。
振り向いたらシンシアが上空に向けて銃を向けていた。
「シ、シンシア? その銃は?」
「あぁ、これですか? 昔、これで戦っていた事があるんですよ。今も手離せないんですよ。」
「やっぱり冒険者なのか?」
「いいえ、私は冒険者じゃなくて軍にいたんですよ。『銃騎士』って言う奴ですよ。」
「軍て、何処の? レバニアかシュヴィアか?」
「いいえ、別の大陸にある『ニラノマ帝国』という国で一応、将軍の地位までいました。」
・・・・・・将軍?
もしかして、凄い実力者なのか?




