元勇者、孤児達の境遇を知る
シンシアと子供達は教会に住む事になった。
シンシア曰く『将来的には孤児院を開きたい』との事。
子供達は人間が2名、獣人が3名、エルフが2名、魔族が2名だ。
人間の子達はルーシェと『ハイツ』という男の子だ。赤ちゃんの時に教会に手紙と一緒に捨てられていたらしい。
どうやら母親が生活が苦しくてやむ無く捨てられたみたいだ。
獣人の子は3人とも女の子で『ベラ』、『ルア』、『ミワ』、という。
3人は奴隷として売られたらしい。
エルフは男女一人ずつで女の子は『ミラル』、男の子は『エリン』という。
二人は何でも住んでいた村が何者かに襲われて逃げてきたらしい。
因みに子供達の中では一番歳上だ。と言っても6歳ぐらいに見えるがエルフは長寿の一族だから、実年齢はわからない。
さて、最後は魔族の子供達だが、サラの姿を見て驚いた。
「魔王軍最強の剣士のサラ様じゃありませんかっ!」
「私の事を知っているのか?」
「はい、サラ様は不遇の身でありながら魔王様に認められて四天王の地位まで登り詰めた、僕達の目標であり憧れです!」
魔族の少年『カイヤ』と少女『ミサ』が目を輝かせてサラを見てる。
「サラって有名だったんだな・・・・・・。」
「ま、前の話だ。」
サラは顔を真っ赤にして照れている。
で、カイヤとミサはエリン達同様で住んでいた村から逃げてきたらしい。
ただ、逃げた理由は村で迫害を受けていたからだそうだ。
魔族でありながら『光』の属性を持って生まれたのが原因らしい。
子供達の事情はシンシアから聞いた話だ。
「しかし、この子達は目が輝いているな。」
「えぇ、聖王様から『人種を否定するのでなく肯定すれば世界は良くなる。』と教えられていますから。」
なるほどな・・・・・・。




