元勇者、孤児を引き取る
ミラージュからの依頼を受けてから数日後、シスターに連れられて子供達がやって来た。
「聖国より派遣されました『シンシア・クルーン』と申します。よろしくお願いいたします。」
「村長兼領主のノエルだ。こちらこそよろしく。」
シンシアは優しそうな少女だ。
子供達は人間だけかと思っていたが、獣人だったり魔族だったりもいたので驚いた。
ミラージュの意向で人種関係無く孤児を保護しているらしい。
その中に幼い頃のステラそっくりの少女がいた。
「えっと・・・・・・、『ルーシェ』です。お願いしましゅ・・・・・・、し、舌噛んじゃった・・・・・・。」
涙目になっているルーシェを見て、数日間の複雑な気分は全部吹っ飛んだ。
て言うか、全体的にみんな可愛い。
そんな俺よりも反応したのがキャミーだった。
「私の事はお姉ちゃんって言っていいからね!」
「・・・・・・キャミーって、あんなタイプだったか?」
「多分、末っ子だから、妹や弟が欲しかったんじゃないかって思うんです。」
なるほどなぁ・・・・・・、まぁ、俺も一人っ子だからわからない訳ではない。
こうして村はまた賑やかになった。
更にその数日後、この村に開拓団を派遣する話が漸くまとまった、とシュバルツから連絡があった。
その中にクリスタがいたのは驚いた。