元勇者、聖王と再会する
着工から1ヶ月、遂に教会が完成した。
「しかし、こうも当時のままに再現するとは・・・・・・、特殊な力でもあるんじゃないのか?」
「いえいえ、僕は出来る事をやっただけですから。」
ただ、これで教会として機能する訳じゃない。
ちゃんと聖国に報告して聖王の加護を受けなければならない。
だから、教会として機能するのはまだ先の話だ。
「とりあえず、聖国に報告でもするか・・・・・・。」
と
「それには及ばないわよ♪」
後ろから声がしたので振り向くと・・・・・・。
「立派な教会が完成したわね♪」
「聖王様っ!?」
「えっ!? この人が聖王っ!?」
ニコニコ顔の聖王ミラージュがいました。
「いっ、いつの間にっ!? て言うか、なんで此処にっ!?」
「初めて来た時に『転移ポイント』を設置しておいたの。いちいち船で来るのも面倒だからね。教会を作っている、というのはシュヴィアからの報告で知っていたわ。多分、完成するだろう、と思って来たわ。」
すげぇ行動的・・・・・・、て言うか報告されてたのか。
「アムールって言ったわね? 素晴らしい建物を作ったわね。貴方の腕、大した物だわ。」
「あっ、ありがとうございます!聖王様に褒めて戴き光栄です!」
「教会のあるべき姿よね。最近の教会は派手過ぎてダメ。シンプルな美しさが必要なのよ。」
ウンウンと頷くミラージュ。
気に入ってくれたみたいだ。
その後、ミラージュは教会に加護をつけた。
中に入って女神像に祈りを捧げて呪文を唱えた。
教会の空気が一気に澄んだ様に思えた。
「ここにはシスターを派遣するわ。」
「シスターって・・・・・・。」
「大丈夫よ、ステラは今再教育中だし、聖女の資格は取り上げたし一生聖国で生活させる予定だから。別の人物を派遣させるわ。」
いや、まぁ気にはしてないから別に良いんだけども。