元勇者、領主になる
第二部、領主編の始まりです。
俺の故郷であるハノイ村は山の中にある小さな村だ。
道は一本道で馬車が通れるぐらいだ。
舗装は当然されていない。
そんな村だから当然人なんて滅多に来ない。
来るとしたら商人が物を売りに来るぐらいだ。
でも俺はこの村が好きだし、王都がどんなに都会であろうと此処が安住の地だと思っている。
・・・そう・・・思ってはいるんだが、俺の前には立派な額に入った一枚の紙がある。
『任命書』と書かれてあるその用紙には次の事が書かれている。
・ノエル・ビーガーを魔王討伐の功績によりハノイ村の村長兼周辺の土地を治める領主に任命する。
・ノエル・ビーガーに関して何人足りとも意図的な交渉、脅迫等を一切禁じ、同様にハノイ領に関しても意図的な行為を禁じる。
・・・・・・とまぁ、他にも細かい事が書かれてあるんだが、とりあえずは俺の身元やら自由な行動等も認めてくれているようでありがたい。
俺としてもトラブルや厄介事に巻き込まれるのは嫌だ。
唯一、難があるとすればだ。
「・・・・・・どうやって開拓していけばいいんだ?」
山の中にある田舎だぞ?