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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
元勇者編
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幕間 クーデター当日

 戴冠式兼結婚式、当日を迎えたが朝から王宮内は混乱していた。


 まずステラが精神的に不安定な状態になっていた。


「赤ちゃんが・・・・・・、赤ちゃんが・・・・・・。」と茫然自失となっており、泣き喚いたりと視線が定まっていなかったり、と人前に出れる状態では無かった。


 カインにとっては何故こんな状態になってしまったのかわからないので理由を聞きたいのだが、聞ける状態では無かった。


 とりあえず、戴冠式は行い、結婚は発表だけにし、後日行うことにした。


 更にミレットとキャミーの姿が消えていた。


 置き手紙も無く、突然姿を消した二人を探そうとしたが行方はわからずじまい。


「めでたい日なのに、何故朝からこんな事になってるんだっ!?」


「落ち着いて下さい! 父上っ! 動揺してると国民にバレます。」


「そうだな・・・・・・、ステラは落ち着いたか?」


「今はぐっすり眠っています。昨日までは普通だったのに・・・・・・。」


「とにかく、この戴冠式だけは上手くいかなければならん。」


 外では花火が打ち上げられている。


「ほら見ろ、お前を新しい王として歓迎しているようではないか。」


 しかし


 ズドォォォォォンンン!!!!


 突然、鳴った大きな音に城全体が揺れた。


「なっ、何事だっ!?」


「この音は大砲の音では・・・・・・。」


 慌てた様に兵士が入って来た。


「失礼致します! ガッシュ将軍率いる軍が謀反を起こしましたっ!」


「なんだとっ!? 直ぐに鎮圧しろっ!!」


「それが・・・・・・、軍の殆どの兵士達が参加していて・・・・・・。」


「そんな馬鹿な事があるかっ!? 俺は勇者でありこの国の王になる人間だぞっ!! 讃えられるならまだしも、クーデターを起こされる理由などないはずだっ!!」


 更に別の兵士がやって来た。


「失礼します。クーデターを起こした軍は各貴族の家に入り家の者を拘束しております!!」


「な、何でそんな事が・・・・・・。」


 一気に最悪の状況に陥っているこの現実に頭が理解していなかった。


 そこへ武器を持った兵士達が乗り込んできた。


「メタノル国王、カイン王子、我々にご同行願おうか。この城は既に我々が制圧した。」


 兵士達は二人の両脇を持ってズルズルと引きずっていった。


 この日、レバニア城は陥落した。


  


 

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