元勇者、聖王の交遊の広さに唖然とする
「そういえばおみやげを買ったって言っていたけど・・・・・・。」
それらしき物は無くミラージュは手ぶらで、シュバルツも持っていない。
「あ、船に乗せてもう送っちゃった。あの子、時間かかるの嫌だから。」
「あの子?」
「そう、あの子。『メナルティ』て、聞いた事がない?」
「いや、聞いた事がない・・・・・・。」
シュバルツも首を横に振る。
しかし、サラだけは違った。
「確か・・・・・・、『邪神』の名前がそうだった様な・・・・・・。我々魔族を作った神と聞いた事がある。」
「そう、その邪神。今、一緒に住んでるの。」
・・・・・・え?
一瞬空気が固まり、数秒後に大絶叫が村内に響き渡った。
「開拓していた時にクラウドが突然『現地の子がいたよ。』て、連れてきたのよ。私は直ぐに邪神だって言う事に気づいてクラウドの顔面にグーパンチを浴びせたわよ。」
大絶叫をした数分後、ミラージュの話を聞く事にした。
「事情を聞いたら、クラウドが森の奥にある遺跡を発見して中に入ってうっかり封印を解いちゃったらしいのよ。」
いや、うっかり、って言うレベルじゃないだろ・・・・・・。
「それでは邪神の影響が出てるのでは無いのですか?」
「まぁ、その気になれば世界を滅ぼす事も出来るけど、今の所は問題ないわよ。」
問題があったら大変な事になってるはずだ。
「だって、あの子かなりのめんどくさがり屋でグータラだから。魔族作った理由も自分で動くのが面倒臭いからだって。」
「なんじゃそりゃっ!?」
「それでいて、甘い物が大好きで、今回出かける時もおみやげを頼まれたし。まぁ、協力してくれるから。」
「協力?」
「レバニアへの制裁よ。貴方の仲間の戦士、っているじゃない? アレ、相当恨みを買ってるみたいよ。」
グダールが?
まぁ、アイツは女好きで遊び人だから、何処かで泣かせて来たんじゃなかろうか。
「強い憎しみや怒り、恨みを持ったまま死んだ魂は悪霊や怨霊化するんだけど、それを纏めているのがメナルティなの。その戦士に強い恨みを持った霊というのは、どうやら彼の幼馴染みだったみたい。」
「それでグダールはどうなるんだ?」
「冥界逝き。魂になってももがき苦しむ事になりそうよ。」
・・・・・・何か悲惨な気がする。




