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元勇者、ナミとシキの関係を知る
「大勝利〜、ブイッ!」
ナミが意気揚々と戻ってきた。
「大勝利、というか一方的にフルボッコにしただけだと思うが」
「ナミ、よかったよ!」
「シキ!? トモおじさんのしごきから生還出来たんだ」
「勿論っ! ナミに会える為なら火の中水の中っ!」
ナミとシキのやり取りを見ながら俺はユウスケに聞いた。
「ユウスケ、もしかしてあの二人って……」
「そう思うでしょ? これがまだ付き合ってないんだよ」
「え〜っ、意外」
アクアが驚きの声をあげた。
「二人とも幼馴染で昔からの付き合いでまぁ良い関係ではあるんだけど……、シキ君がね」
? 普通に好青年っぽいが?
「ところでシキ、ここに来るまでに何人に声かけた?」
ニッコリ笑顔で問いかけるナミにシキは一気に冷や汗をかいた。
「ナ、ナンノオハナシデショウカ……」
「私の目が節穴だと思っているの?」
「すいませんでしたぁぁぁっっっっ!!」
シキが綺麗に土下座した。
「このナンパ男がああああぁぁぁぁっっっっ!!」
そう言ってナミはシキの頭を蹴り続けた。
「シキ君って無類の女好きなんだよ……」
「なるほど……」