幕間 アリス、魔族の男を断罪する
武闘大会が盛り上がっている頃、先程ノエルとエレインが戦っていた地下にはユウスケによって縛り上げられた魔族の男がいた。
「クソっ!? なんで解けないんだっ!」
男は縄を解こうとしていたがなかなか解けずに苦戦していた。
「洗脳させて会場を混乱させて隙あれば王を殺し再び闘わせよう、という『あの方』の計画が頓挫するとは……」
「ほぅ、それが今回の計画か」
「っ!?」
魔族の男はビクッとなった。
コツコツと言う足音と共に増大な魔力を纏わせ現れたのはアリスだった。
その手には歴代の魔王しか持つ事が出来ない魔剣があった。
「ア、アリス様……」
ガタガタと震える男を見下すアリスの目は冷たかった。
「あの方が誰かは大体想像つく、身内、しかも兄上だろうな。兄上は私のやる事なす事気に入らないからな」
男は横を向いた。
「だんまりでもいいぞ、お前の運命はすでに決まっている」
そう言うとアリスは男の首筋に剣を当てた。
「ひぃっ!? ア、アリス様っ! コレは魔族の未来を思って……」
「私のやり方を否定するやり方がか?」
「人間と協力する事なんてできる訳がありません!長い歴史を見ればわかるでしょう!」
「……私もそんな事はわかっている。だが私は決断したんだ。その歩みを止めるつもりはないし邪魔する者は何人足りとも容赦しない」
そう言うと一瞬だった。
アリスは魔剣で男を一刀両断した。
男は悲鳴をあげることもなくその姿を跡形もなく消えた。
「ふむ、流石は魔剣だ。ちょっと力を入れただけでこれだけの威力とは……、お父様も厄介な物をこの世に作った物だ」
アリスはため息を吐きながら剣を収めた。




