クリスマス記念小説
「そういえば今日はクリスマスか」
ユウスケの店でカレンダーを見て俺は思い出したように言った。
「そういえばそうだね、1年ってあっという間だよね。ノエルの村は何かやるの?」
「まぁ子供達にプレゼントをあげたりちょっとしたパーティーをやるつもりだ。アクアも楽しみにしてる」
「アクアって土地神の? 神様も楽しみなんだ」
「でも、最初大変だったんだぞ。サラが変な事吹き込むから……」
「変な事?」
「サラの奴、『魔界ではいい子にしてないと鉈を持って襲いかかる』とかアクアに言ったらしいんだ。そのせいでアクアは眠れなかったらしい」
「そんなサンタいてたまるかっ!?」
「俺もそう思ったんだがアリスに聞いたら魔界では常識らしい……」
「独特なんだね、魔界って……」
「ユウスケの地元じゃどんなクリスマスを過ごしたんだ?」
「まぁ普通にケーキとかチキン食べたりしてたかな。 あ、でも……」
なんか思い出したらしくフッとユウスケが黄昏れた表情を見せた。
「もしかしてコウ関連か?」
「『クリスマスプレゼントが欲しいなら俺を倒すんだな』とか言って……、こっちは別に欲しいとか言った事無いのに無理矢理拉致されて……、モミジさんもいたから更に被害が……」
……まだそんなに会ってないのにコウの人となりがわかってきた様な気がする。
お久しぶりの更新です。漫画版『元勇者は静かに暮らしたい』でクリスマス短編が更新されてそれを受けて書きました。