元勇者、王子と王女の逞しさに感心する
「改めて勇者ノエル様、魔王を倒して下さってありがとうございます。レバニアを代表して御礼を申し上げます。」
サーニャと話し終えたキャミー様は俺に向き合って改めて御礼をしてくれた。
「更にサーニャお姉さまも救って頂いて何と御礼を言えば良いか・・・・・・。」
「まぁ、たまたまだよ。別に礼を言われる必要は無いし。」
「その謙虚な所も勇者たる所以ですね。カインお兄様に見習って欲しいです。」
「しかし、良いのか? 王族が二人もいなくなって。 きっと国王達は探し出すぞ。」
「それなら心配ありません。当日まで僕達の部屋には入れない様にしておきましたから。」
「・・・・・・しっかりしてるな。」
「カインお兄様はきっと『結婚式当日には出てくるだろう』て思ってますから。」
なんでこの二人が跡継ぎじゃなかったのか・・・・・・。
二人には村長の家を使ってもらう事にした。
「この村での仕事は主に農業と野獣狩りがメインだ。 わからなかったら俺が教えてやるから。」
「ありがとうございます。僕、農業をやるのが夢だったんです。」
「王族なのにか?」
「農業は国の礎ですからね。勉強や研究もしてきたんです。」
「私も花畑を作るのが夢だったんです。これから理想の花園を作れるのが楽しみです。」
・・・・・・ホント、逞しいな。
二人には農業の基本を教えたが飲み込みが早く感心した。
泥だらけになりながらも汗水垂らして笑顔で作業している姿は人間のあるべき姿じゃないか、と思う。