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元勇者、胸騒ぎを覚える
「ここが倉庫か……」
俺は倉庫に到着した、と誰か倒れているのを発見した。
「おいっ! どうしたんだっ!?」
「うぅ……、急に鎧が……勝手に動き出して……」
「勝手にっ!?」
俺は倉庫の中へ入った。
武器や鎧が所狭しと置いてある。
「ここだけ空いている、という事はここに鎧が置いてあったんだな……」
「ノエル様っ!」
「リリア、狂戦士の鎧はどうやら自分で動けるみたいだ」
「自分でっ!?」
そりゃ驚くだろう。しかし勇者時代にそんな魔物をたくさん見てきた俺は驚く事ではなかった。
「多分、鎧は俺の匂いを嗅ぎつけたんだろうな。だから始末される前に何処かへ消えたんだろう」
「何処に消えたんでしょうか……」
「リリア、国王に言って念の為にエレインを監視しておくように伝えておいてくれ」
「えっ!? それって……」
何やら胸騒ぎがしてきた……。