元勇者、エレインと話す
武術大会が近づく中、用事があり俺はシュヴィア城に来ていた。
城の通路を通っているとエレインが誰かと話をしているのを見た。
「……ですから今度の武術大会ではうちの剣を使っていただきたいのです」
「その話はちゃんと騎士団を通してください。 私の一存では決められないので」
「そう言わずに……」
う~ん、どうやら商人に捕まっているみたいだな……。
助け船を出すか。
「エレイン」
俺はエレインに声をかけた。
「これはノエル殿」
エレインは俺の方を見て挨拶をした。
商人はギョッとしたような顔で慌てて逃げていった。
「変な奴に捕まっていたみたいだな」
「えぇ、武術大会が近づいてくるとああいう輩が出てくるんですよ、困った物です」
やれやれと言う顔をするエレイン。
「大変だな、騎士団長というのも。あ、今度の武術大会の話、聞いたぞ」
「えぇ、よろしくお願いします」
「こちらこそ、と言っても俺が今まで戦って来たのはモンスターとか悪人がメインだ。 こういう大会みたいな物は出た事が無いから正直困っているんだ」
「あぁ、命を懸けて戦うのとは違いますからね。 私も余り人前で戦うのは苦手なんですよ。 自分の剣さばきを見せるのは敵に情報を見せてしまう事になってしまう可能性がありますから」
はぁ、と溜め息を吐くエレイン。
見た目とは違って慎重なんだな。




