元勇者、サラの訓練を見まもる
この分までが4巻収録分となります。
武器を頼んだ後、俺はギルドの訓練場に来ていた。
訓練場ではサラが汗を流していた。
「サラ、精が出るな」
「ノエルか、久しぶりに戦うからな。感覚を取り戻していた所だ」
「そうか、戦うのは魔王軍以来か」
「そうだな、あの頃の私は戦う事しか興味がない奴だった……」
フッと笑うサラ。
……何か嫌な思い出があるのか?
「魔属領には今回みたいな大会は無かったのか?」
「まぁあるにはあった。私はその大会に参加して魔王軍の四天王になれたんだけど」
魔王軍は本当に実力主義なんだな……。
「ただ四天王の頃が幸せだったかと言うとそんな事は無い。常に立場を死守する為の必死だったからな、だから今は幸せだ。何にも立場とか関係が無いのがこんなに楽だったとは……」
サラは感慨深い様に言った
「そうか、サラがそう思うなら今が幸せなんだろうな」
俺はそんな風に思った。
「あぁ、村に来た時の私は何にも知らなかったから全てが新鮮にだった……」
最初は奴隷だったもんなぁ。
それが段々と増えていくと同時に村も発展していった。
「まだまだ村は発展していくしこれからもよろしくな、サラ」
「ノエル、こちらこそだ」
俺達はその後も思い出話に盛り上がった。




