元勇者、騎士団に報告する
その後、俺達は騎士団の詰め所にやって来た。
「……と言う訳で無事に騎士狩りは捕獲できた」
俺達はエレインに報告をした。
「ノエル殿、リリア姫ありがとうございます」
さて、肝心の騎士狩りだが……。
「姉さん、ちゃんと反省してますか?」
「はい……」
ただいま、アリルから説教されている。
「そもそもなんでこんな事をやったんですか?」
「だって、何処の騎士団に行っても門前払いになって全然相手にしてくれないんだもん!」
「だからと言って闇討ちする理由にはなりませんよ」
「うぅ……」
ショボンとなる騎士狩り。
フードを脱ぐと確かにアリルと顔はそっくりだったけど勝気な感じにした。
「本当に姉が申し訳ございません、被害者の方には謝罪をさせていただきますので」
「いやいや、反省してるのはわかりましたから今回はコレで許しましょう。それで騎士狩り……」
「あ、シェイルと言います。 シェイル・ペインテットです」
「シェイル、君は騎士と戦いたいのかい?」
「そう! 私が強さを証明したいんだっ!」
「それだったらその場を与えようじゃないか。リリア姫、確かもうすぐ『武術大会』が行われますよね?」
「はい、確かに行われますけど……」
「シェリルに参加資格を与えてあげられないでしょうか?」
「「えぇっ!?」
俺とリリアは驚きの声を上げた。
「彼女の戦闘能力は目を見張る物があります。勿論、騎士としての基礎訓練を受けてもらってから大会に出てもらおうかと思っているんですが」
「……わかりました、許可をしましょう」
「ありがとうございます」
「えっ!? 戦えるのっ!? やったー!!」
「いいんですか? 本当に。姉は加減を知りませんよ」
「大丈夫です」
そう言ってエレインはニッコリと笑った。
……この男、結構やり手だな。
こうして騎士狩り事件は解決した。




