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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
領主編
374/416

元勇者、騎士狩りを制圧する

 騎士狩りはすぐに姿を消した。


「き、消えたっ!?」


「ここだよ♪」


「リリア、後ろだっ!」


 すぐにリリアは横に避けた。


「へぇ、私の動きにこんなに早く動けるなんて流石だねぇ」


 顔は見せないがニヤニヤは笑っている。


 この状態は楽しんでいるのがわかる。


 アイツを止めるには圧倒的に倒すしかないか。


 俺は剣を構えた。


「おっ、やる気だねぇ、好きだよそういうの」


「行くぞっ!」


 俺は一瞬に騎士狩りとの間合いを縮める。


 ガギィン!という剣と剣がぶつかり合う音が聞こえる。


「なかなかやるねぇ、いいよぉ!」


 そう言いながらもつばぜり合いは続く。


(コイツ、確かに力が強いな、でもそれだけだ)


 俺は隙を見て次に振りかぶって来た瞬間をサッと後ろに引いた。


 予想通りに騎士狩りの剣はそのまま地面に降りた。


「あれ?」


「私がいる事を忘れてませんかっ!」


 それを見たリリアが騎士狩りの捕獲しようとする。


「リリアっ! 剣には仕掛けがあるぞっ! 気をつけろっ!」


 騎士狩りは剣を地面に刺した。


「ひゃっ!?」


 リリアは間髪避けたが地面に衝撃波が走った。


「クッ、承知済みかぁ」


「あぁ、お前の手の内はわかっているぞ! 全部アリルから聞いてるぞ」


「えっ!? アリルがいるのっ!?」


「えぇ、ここにいますよ」


 柱の陰からアリルが現れた。


「ゲ……」


 明らかに動揺してるな。


「一体何をやってるんですか、こんな闇討ちみたいな事をやって……、正々堂々戦うのが姉さんの主義でしょ」


「うぅ、それは……」


 突然の妹の登場に明らかに動揺してるな。


「とりあえず拘束させてもらいますね、『スパイダーロープ』」


 アリルが手を広げると指輪から糸が出てきた。


「うげっ、それは止め……、ギャン!」


 一瞬にして騎士狩りの体は糸で雁字搦めになった。


「今のは……『魔道具』ですか?」


「はい、私が作ったものです」


 え、作った?


「私、『魔道具士』なんです」


 にっこりと笑うアリル。


「えっ!? 魔道具士って結構レアな仕事ですよっ!?」


「そうなんですか? 母国には結構メジャーですよ」


 マジか……。





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