元勇者、騎士狩りを誘きだす
本日、『元勇者は静かに暮らしたい4』発売となります。4巻収録分まで本日、更新いたします。
翌日、俺はアリルを連れてシュヴィアの騎士団の詰め所にやって来た。
「……と言う訳なんだ」
俺はエレインにアリルから聞いた話を伝えた。
「なるほど、そうですか」
「姉が迷惑かけてすみません」
アリルは頭を下げた。
「いやいや、まだ君のお姉さんであるか決まった事ではないしもしかしたら裏に何か大きな物があるかもしれません」
「姉は信じやすい性格ですからあり得る話だと思います」
「それだったら尚更早く騒動を終息させないといけません。何せ今回の襲撃で夜回りをしたい騎士が少なくなってしまいましたから」
「それで実は相談したい事があるんだが……」
俺はエレインにある事を話した。
「えぇっ!? 良いんですかっ!?」
「あぁ、多分これが一番良い方法だと思うんだ」
「こちらとしては全然構いませんが……」
そして、その日の夜に計画は実行した。
「本当に現れますかねぇ……」
「あぁ、多分現れる筈だ」
俺はリリアと共に騎士の格好をしていた。
そう、計画と言うのは囮作戦だ。
俺とリリアが囮になって誘きだそうと言う作戦だ。
まぁ、相手はリリアじゃなくてもよかったんだけどリリア自ら立候補した。
「自分の国の出来事ですから王族として解決するのは当たり前です!」
そう力強く宣言してるがシュバルツは多分泣いてるぞ?
「しかし、夜の町って言うのは不気味なもんだな」
「確かに薄気味悪さを感じますね……」
と、何かが動くのを感じた。
「リリア、来るぞっ!」
「はいっ!」
俺達は背後から来る攻撃を避けた。
「へぇ、この攻撃を避けるなんてやるねぇ……」
黒装束の顔を見せない少女が剣を持って立っていた。
「お前か、騎士狩りって言うのは?」
「そうだよ、さぁ遊ぼうか?」
俺達と騎士狩りの戦いが始まった。




