元勇者、幼馴染みの店の開店準備を手伝う
店の工事が始まって1ヶ月が経過し漸く完成した。
「遂に完成したな」
「あぁ、再スタートだ」
ワイズは感慨深げに呟いた。
「ワイズさん、ポーション持って来ましたよ」
ジャレットがポーションが入った木箱を持って来た。
「武器や防具を持って来たっスよ」
ヨーミリがリヤカーに乗せて剣や盾を持って来た。
「配列はどうするんだ?」
「前に小物を置いて武器類は奥の壁に一部を配置する。まずは入りやすい店にしないといけないからな」
ワイズの指示に従い商品を棚に置いていく。
「私の作ったポーションが商品として売られる日が来るなんて……」
「ジャレットさん、泣くのは早いっスよ」
「だって錬金術師として出来損ないの私が人様に提供できる物を産み出せるなんて……」
「ジャレットは一流の錬金術師だろ? 前に提出したレポートも評価されたんだから自信を持て」
「そ、そうですよね……」
ジャレットはレダに関するレポートを国の錬金術師協会に提出した所、高い評価を受けたらしい。
まぁ本人は相変わらず自信が無いのだが……。
「この宝石は……?」
「ルーヤ、そこのガラスケースに入れてくれ」
「ん……」
ルーヤは指輪やイヤリング等をガラスケースの中にいれていく。
「だいぶ店らしくなって来ましたね」
リリアがウンウンと頷きながら言った。
「確かに店の方はらしくなったけど住居スペースはまだ家具とか設置してないだろ?」
「あぁ、それなら私が作ったっスよ。 ワイズさんから注文を受けたっス」
いつの間に……。
俺達は和気あいあいと店の準備を進めていた。
ワイズ商店はもうすぐオープンだ。