元勇者、シュヴィアのギルドへ行く
翌日、俺はワイズとルーヤを連れて王都にやって来た。
「ふええぇぇぇ……」
ルーヤは王都について人の多さに驚きの声をあげていた。
目をキラキラさせてキョロキョロ見回している。
「そんなに珍しいか?」
「うん……、こんなにたくさんの人も高い建物も見るの初めて……」
「ルーヤってアリスに保護されていたんだよな? どんな所に住んでいたんだ?」
「森の中……、他の魔族が来れない様に結界を張っていたから……、入れるのはアリスと私だけ……」
「アリス以外とは全くコミュニケーションを取ってないのか?」
俺の質問にルーヤはコクりと頷いた。
「私は……、嫌われているから」
「でも、これからは魔族も人間も協力して暮らせる世の中になる。 ルーヤにもアリス以外にも心を許せる友達が現れる」
「うん……、アリスも言ってた……」
ちょっとだけルーヤは微笑んだ。
そして、俺達は総合ギルドに到着した。
「商業ギルドは……、2階か」
案内板を確認して俺達は2階へと向かった。
「え~と、この通路を左に曲がって……、あった!」
商業ギルドの看板があったので中に入った。
「じゃあ、手続きしてくるからちょっと待っててくれ」
「スムーズに行くといいな」
「何も問題が無かったら数分で終わるはずだから、終わったら食事でもしよう」
ワイズはそう言って受付へと向かった。
俺とルーヤはベンチに座り待つ事に。
「おや、ノエルじゃないか?」
声をかけられるとシエンスがいた。
「シエンス、久しぶりだな」
「そうだね、今日は商業ギルドに用事が?」
「あぁ、友人がハノイ村で店を出す事になったんでその手続きに来たんだ」
「へぇ、村もどんどん発展していくね。喜ばしい事だよ」
「まぁな、あ、紹介するよ。この子はルーヤ、先日から村に住んでいるんだ」
ルーヤはペコリと頭を下げた。
「ほぅ……、この子は珍しい能力を持っているね」
「わかるのか?」
「だてに長く生きていないからね、この子は聖魔術師だね」
「聖魔術師の事を知ってるのか?」
「うん、前の勇者パーティーのメンバーにいたから」
え?




