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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
領主編
358/416

元勇者、シュヴィアのギルドへ行く

 翌日、俺はワイズとルーヤを連れて王都にやって来た。


「ふええぇぇぇ……」


 ルーヤは王都について人の多さに驚きの声をあげていた。


 目をキラキラさせてキョロキョロ見回している。


「そんなに珍しいか?」


「うん……、こんなにたくさんの人も高い建物も見るの初めて……」


「ルーヤってアリスに保護されていたんだよな? どんな所に住んでいたんだ?」


「森の中……、他の魔族が来れない様に結界を張っていたから……、入れるのはアリスと私だけ……」


「アリス以外とは全くコミュニケーションを取ってないのか?」


 俺の質問にルーヤはコクりと頷いた。


「私は……、嫌われているから」


「でも、これからは魔族も人間も協力して暮らせる世の中になる。 ルーヤにもアリス以外にも心を許せる友達が現れる」


「うん……、アリスも言ってた……」


 ちょっとだけルーヤは微笑んだ。


 

 そして、俺達は総合ギルドに到着した。


「商業ギルドは……、2階か」


 案内板を確認して俺達は2階へと向かった。


「え~と、この通路を左に曲がって……、あった!」


 商業ギルドの看板があったので中に入った。


「じゃあ、手続きしてくるからちょっと待っててくれ」


「スムーズに行くといいな」


「何も問題が無かったら数分で終わるはずだから、終わったら食事でもしよう」


 ワイズはそう言って受付へと向かった。


 俺とルーヤはベンチに座り待つ事に。


「おや、ノエルじゃないか?」


 声をかけられるとシエンスがいた。


「シエンス、久しぶりだな」


「そうだね、今日は商業ギルドに用事が?」


「あぁ、友人がハノイ村で店を出す事になったんでその手続きに来たんだ」


「へぇ、村もどんどん発展していくね。喜ばしい事だよ」


「まぁな、あ、紹介するよ。この子はルーヤ、先日から村に住んでいるんだ」


 ルーヤはペコリと頭を下げた。


「ほぅ……、この子は珍しい能力を持っているね」


「わかるのか?」


「だてに長く生きていないからね、この子は聖魔術師だね」


「聖魔術師の事を知ってるのか?」


「うん、前の勇者パーティーのメンバーにいたから」


 え?


  

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