元勇者、幼馴染みと思い出話に花を咲かす
「まぁ、商会に関しては国が罰しますのでお任せください!」
リリアはそう言ってドンと胸を叩いた。
「そうだな、過ぎた事はしょうがないしな……、よしっ! 気持ちを一新して今は新しい店の事だけ考えよう!」
「それが一番良い。 過去の事は過去の事だ」
俺はクワイアの店にワイズを連れていき一緒に食事をした。
「美味いなぁ! こんな美味い料理なんて久しぶりに食べたよ」
「そう言ってくれて光栄ですよ。食材は全部この村で収穫された物を使っているんです」
「えっ!? この村でこんな野菜が採れたのか?」
「そこはアクアのおかげだよ」
「はぁ~、やっぱり女神の力は凄いなぁ……、俺達が小さい頃は芋ばっかり採れて毎日食べていたもんな」
「えっ、そうなんですか?」
クワイアが驚きの声をあげたが俺もワイズの言葉に同調した。
「そうだよ、芋しか食べれる物が無かったんだよ、当時は」
「だいぶ成長してから野菜とかを作るようになった、国の命令でな。でも、ハッキリ言うとそんなに美味くは無かったんだよ」
「そんな時代があったんですね」
「それに昔は税金の取り立てが酷かったんだ。よく親父が村長に掛け合ってて怒りながら家に帰って来てたよ」
「税金を下げる様にですか?」
「あぁ、でも今考えたら領主と村長は絡んでいた様な気がする。だから、訴えを取り合わなかったのかもしれない」
……何て言うか社会の厳しさを感じたな。