元勇者の幼馴染み、ギルドへ行く
「いやぁ、道具屋が出来るのはありがたいっ! 何せただでさえギルドの仕事で忙しいにも関わらず武器や道具の取り扱いもしなくちゃいけなかったからな!」
ヨーミリの工房を訪れた後、俺はギルドへとやって来てガーザスにワイズを紹介した。
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそ、て言うか元々住んでいたならそっちの方が先輩だな」
「いえいえっ! 俺やノエルが小さかった頃の村は何も無い所だったので今とは全然違っているから……」
ワイズはとんでもない、と言う感じで首を横に振った。
「ところでノエルって小さい頃はどんな奴だったんだ?」
「ちょっ!? 何を聞いてるんだっ!?」
「お前の小さい頃の話ってあんまり聞かないからな」
「どんな奴、と言われても……、まぁ普通だったよな?」
「まぁ、普通だった、と思うが」
「あ、ノエルの両親にはお世話になったな? 俺、お前んちで何度か食べさせてもらった事があったよな」
「あぁ、そういえば……」
ワイズの両親は忙しくて家にいない事も屡々合って家で食事する事もあった。
「おばさんの料理、旨かったよなぁ。そういえばよくおじさんがおばさんにしばかれる姿を何回も見た事あったなぁ」
「あったあった! 日常茶飯事だったよ……」
「オイオイ……、子供の前で夫婦喧嘩かよ……」
ガーザスが呆れていたが大体、親父が余計な事言ってお袋にしばかれてたんだよな。
何度鍋が親父の頭上に振り下ろされたか……。




