元勇者の幼馴染み、出来に驚く
俺達は村を散策した後、家に戻って来た。
「この家も昔と変わってないな。でも領主だったらもっと立派な家に住めば良いのに」
「俺にはこれぐらいが合ってるんだよ」
「お前、そう言う所は変わってないな。 昔から欲が無い、と言うか……」
ははは、と笑いながら俺達は座った。
「さて、此処からは商売の話になるんですがワイズさんは道具屋を開きたい、と言う事ですが」
「あぁ、元々やってた事だし、1から出直したい」
「それじゃあ武器や道具を一括で請け負って貰いたいんだが大丈夫か?」
「勿論だとも! 大歓迎だよ!」
うちは職人の数も少ないし同業他社もいない。
ワイズ一人に任せるには十分だろう。
ある程度の話を終えた後、実際に物を見て貰う為に俺達はヨーミリの所にやって来た。
「ノエルさん、どうしたんっスか?」
「ノエルさん、こんにちは」
「ジャレットも来ていたのか、ちょうど良かった」
俺は2人にワイズを紹介した。
「……と言う訳で2人が作った物をワイズの店で取り扱いたいんだが」
「勿論、大歓迎っスよ!」
「私もです、ポーションしか出来ませんが」
「ありがとうございます。早速だけど作った物を見せてもらって良いですか?」
「これっス!」
ヨーミリは剣や盾を持って来た。
ワイズは実際に手にとってマジマジと見ていたが……。
「こりゃあ上出来だっ! 王都だったら高級店で取り扱えるぐらいのレベルだ」
「これぐらい朝飯前っス」
「これと同じレベルの物を量産出来るなんて……、俺が出会った職人の中でもトップクラスの腕だっ!」
ワイズは次にポーションを手にとった。
「これ……、特級ポーションじゃないかっ! これも王都では高値で売買していてもおかしくない物だっ!」
「えぇっ!? 本当ですかっ!?」
「はいっ! 俺の目に狂いはありませんっ!」
ワイズは力強く断言した。
て言うか、そんな凄い物を作っていたのか……。
もしかして、此処に来る奴等はとんでもない才能を持ってるんじゃないのか?




