元勇者の幼馴染み、村に帰って来る
ワイズと再会してから1週間後、色々手続きを済ましてワイズはハノイ村にやって来た。
「だいぶ変わったなぁ、でも、所々残っている建物もあるな」
ワイズはキョロキョロと辺りを見回しながら言った。
「あぁ、ほら村長の建物も残ってるぞ」
「あぁっ!、懐かしいな。 あそこのステラとは良く遊んだよなぁ」
「確かに、ガキの頃は勇者ごっこをやってたよな」
「やってた。 まさか本当に勇者になったとは思わなかったよ」
「まぁ、色々あったけど今は充実してるよ」
「ステラも欲さえ出さなければ良かったのになぁ」
ワイズは残念そうに言う。
「ステラの件、知ってるのか?」
「そりゃあ、知ってるさ。 ……まぁ、いずれは酷い目に合うのはわかっていたけどな」
「へっ!?」
思わず驚きの声が出てしまった。
「俺は商人を目指していたから観察力を鍛えていたし情報もなるべく早く入手するようにしていたんだ。 ステラの両親は出世欲が高くてステラをなんとか貴族に嫁入りさせよう、として高い金払って貴族学院に行かせていたりしたんだよ」
「えっ、村長だけど貴族じゃなかったはずだが?」
「だから金払って貴族籍を購入したんだよ。その貴族学院でもモテモテだったみたいでその頃から俺達が知ってるステラから変わっちまったみたいなんだ」
「村にいた頃もチヤホヤされてたもんなぁ」
「あぁ、人は環境で変わるもんだからな、でもノエルは変わってなくて安心したよ」
そう言ってワイズは笑った。




