元勇者、ヨーミリにユウスケを紹介する
後日、俺はヨーミリを連れてハーブ亭を訪れた。
「へ? 僕の武器を見たい?」
ユウスケがキョトンとした顔をしながら言った。
「あぁ、ヨーミリの力になると思うんだ」
俺はヨーミリの事を話した。
「なるほどね……、でも僕の武器が参考になるの?」
「お前が持っている武器はワ国独特の物だろう、前に言っていたじゃないか」
以前、ユウスケの持っている武器について聞いた事があり『ワ国の独特のやり方で作っている』と言っていた事を覚えていた。
「あぁ~、そういえば言ったね……」
「だからこそ参考になる、と思うんだ」
「わかったよ、ちょっと待っててね」
そう言ってユウスケは奥に引っ込んで木箱を持ってやって来た。
「自分で手入れはしているんだけどね、数年に一回は母国に送っているんだ」
ユウスケは木箱の蓋を開けて中から布に巻かれた物を取り出して布を取った。
「な、なんなんっスかっ!? 見た事無い形をしてるっス」
物を見た瞬間、ヨーミリの目はキラキラしていた。
「この細長いのは『クナイ』、それと『シュリケン』、でも相手に投げつけて攻撃するものね、これは『マキビシ』、地面に投げて相手の行く手を阻む物だよ」
「昔、ダンジョンに入った時にモンスターから逃げる時にマキビシを巻いてたよな」
「マキビシは主に逃げる為の道具だけどたまにマキビシに毒を塗って倒す事も出来るんだよね」
「こんな形の物なんて作った事無いっス! ユウスケさんが作ったんスかぁっ!?」
「いや、こんな技術は僕には無いよ。友人に腕の良い鍛冶士『トウショウ』って言うのがいるんだよ」
「是非、その人を紹介して欲しいっス!」
「紹介、って言ってもワ国にまで行かなきゃ行けないんだけどなぁ……」
「でもワ国は基本的に鎖国してるんだろ?」
う~ん、とユウスケは悩んでいた。
と、扉が開きコウが入って来た。
「お~い、懐かしい奴を連れて来たぞ」
「んーんー!?」
コウは縄で縛り上げ口を塞がれた男を連れてきた。
「えっ!? タイジさんっ!?」
ユウスケはその男を見て驚いた。
「ユウスケ、誰だ?」
「さっき話したトウショウのタイジ・レイオウジさんだよ……」
「えっ!? この人がトウショウっスかぁっ!?」
何て言うタイミング……。