元勇者、謎の鉱石を見る
採掘が始まって1週間が経過した。
「この1週間で鉱山で採掘された鉱石の量を分析したんですがほぼミスリルです」
俺はリリアから渡された資料と報告を受けていた。
「俺も長年現場で働いていたがこんな鉱山は初めてだぜ……」
「あの鉱山が異常だ、と言う事だよなぁ。しかし、前領主は知らなかったのか? あんな宝の山を目の前にしていたのに」
「領主の仕事は時にタイミングと運が大事になって来ますから残念ながら前領主は持っていなかったんでしょうね」
「おっ、忘れる所だった! 実は昨日こんな物を見つけたんだ」
そう言ってズボンのポケットからどす黒い鉱石を取り出してきた。
「一見すれば炭の塊みたいに見えますが」
「なんだけどなぁ、中を割ってみようと思ったが割れねぇんだよ」
「相当硬いと言う事か」
「ある程度は鉱石の名前や形は頭にいれているつもりだったがこんなのは見た事ねぇ」
「だとしたら……、新種か?」
「だったら大発見ですよっ! 我が国の研究所に分析してもらいましょう!」
リリアは興奮しながら言った。
「そうだな、専門家に見てもらった方が良いかもしれないな」
俺はリリアの提案を受け入れてカタロフから一旦謎の鉱石を預かった。
更に数日が経過して謎の鉱石の分析結果が出た。
結論から言うと新種の鉱石である事がわかった。
しかもミスリルよりも硬いし剣に向いているかもしれない、との事。
「まさか本当に新種の鉱石だったとは……」
「ノエル様、どうしましょうか?」
「ヨーミリに頼んで試しに一本作ってもらうか」




