元勇者、採掘作業員のリーダーと打ち合わせをする
数日後、採掘に参加する作業員達がやって来た。
作業員達は流石と言って良いのか逞しい奴ばかりだ。
「リーダーのカタロフだ。勇者様に会えて光栄だ」
「ノエルだ、名前で呼んでくれて構わない」
俺は作業員達のリーダーであるカタロフと挨拶して打ち合わせを行った。
「ミスリルが採れる、って聞いたから久しぶりの採掘作業でみんな気合いが入ってるぜ!」
「そんなにミスリルが採れないのか?」
「と言うか鉱山自体が大手の商会に買い取られて勝手に作業が出来なくなっちなってるんだ」
「大手の商会?」
「コリンダ商会だ。シュヴィアではデカイ顔していて一部の貴族と繋がってる、っていう噂だ」
「あぁ~、あそこはきな臭い噂は良く聞くんですよね。かなりのブラックな環境だって」
「今の商会長がかなり強引なやり方で店を大きくしたらしいな」
「カタロフはそこの商会で働いていたんじゃないのか?」
「俺は彼処とは相性が悪いからな……」
ん? なんか曰くがありそうな物言いだったな。
まぁ、初対面で深く話す事もないか。
俺達は具体的な作業の日程ややり方を決め翌日から作業に入ってもらう事にした。




