元勇者、鉱山に入る
「ここが鉱山の入り口か……」
鉱山の入り口には入れないように鉄の門で固く閉ざされていた。
「ミンクスさん、開けてもらえるか?」
「勿論ですじゃ」
ミンクス老人に鍵を解錠してもらい鉄の門を開けて鉱山の中へ入った。
中は薄暗く奥は全く見えない。
「流石に奥は見えないな……」
「こんなこともあろうかとランプを持ってきてます」
そう言ってリリアはランプを取り出してきた。
ランプの中に火を点けて改めて中を見てみた。
「確かに採掘は行われていたみたいだな」
人工的に削られていた跡があり確かに鉱石が取れていたんだろう。
「因みにどんな鉱石が取れていたんだ?」
「主にミスリルが取れておりました。他にもいろんな鉱石が取れておりましたなぁ」
「どうだ、ヨーミリ。鉱石があるかわかるか?」
ヨーミリはクンクンと鼻を鳴らしている。
「匂うっスねぇ……、ミスリルの匂いがプンプンするッス」
「それってミスリルがあるって事ですか?」
「そうッス」
そう言ってヨーミリはハンマーを持って近くの岩の壁を削り始めた。
すると何か明らかに岩ではない鉱石が出てきた。
「コレ、もしかしてミスリルかもしれないッス」
「なんとっ!? まだミスリルがあったとはっ!?」
ミンクス老人も知らなかったみたいで驚いていた。
「鉱石は自然物ッスから時が経てばまた発生する物ッス。しかも人が暫く入ってないから多分以前みたいにとれるかもしれないッス」
「ほ、本当ですかっ!? それならばまた賑わいが戻ってくる……!!」
そう言ってミンクス老人は泣きそうになっていた。
「まずは剣を作って結果を出さないといけないな」
「コレは腕がなるッス! 気合が入るッス!!」