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元勇者、ハムエク地区に行く
翌日、俺達はハムエク地区にやって来た。
「ノエル様、来ていただいてありがとうございます」
この地区の代表者であるミンクス老人が歓迎してくれた。
ミンクス老人は生まれも育ちもこの地区で民達の信頼も厚い。
実際、前領主と結構やりあったらしくて、まぁただ者ではない。
「ミンクス代表に聞きたい事があるんだ。この地区には鉱山はあるのか?」
「えぇ、ございますとも」
あっさりとミンクス老人は認めた。
「昔は鉱山で働く者でこの地区も賑やかでしたわ、しかし徐々に鉱物が取れなくなって人もだんだん減ってきているのが現状ですわい」
「つまり廃山になっているのか」
自然に出来る物だからな、無くなる事もあるだろう。
「その鉱山には今でも入れるのか?」
「一応バリケードをしておりますが入れますわ」
「ちょっとだけ中に入りたいんだが良いか?」
「えぇ、構いませんぞ」
俺達はミンクス代表の案内で鉱山へと向かった。




