元勇者、錬金術師に頼む
「とりあえずこんなもんッスかね」
籠いっぱいの素材を見てニンマリしているヨーミリ。
「でも、本当は鉱石とかが必要なんだろ?」
「心配ないッス、この素材を錬金術師に頼んで人工鉱石にしてもらうんッスよ」
「人工鉱石?」
「そうッス、天然よりは硬度とかは弱いッスけど問題は無いッス」
と言う訳で俺達はジャレットの元へと向かった。
「ジャレット、いるか?」
ドアをノックするとドタバタと物音がして、その後にギイイィィィと言う音と共にジャレットが顔を覗かせた。
「あぁ、ノエルさんでしたか」
「悪いな、もしかして寝てたか?」
そう言うとジャレットはブンブンと首を横に振った。
「そ、そそそそんな事はありませんよっ!?」
その慌てぶりが物語っているよ······。
俺はジャレットにヨーミリを紹介した。
「······それでジャレットに人工鉱石を作って貰いたいんだ」
「人工鉱石、ですか······。作った事は無いんですけども興味はありましたからちょっとやってみます」
「よろしくッス!」
「そういえばレダの様子はどうなんだ?」
「あぁ、レダだったら······」
「ママ?」
噂をすればなんとやらでレダが姿を現した。
「アッ、ノエル様、コンニチハ」
「レダ、元気そうだな、だいぶ言葉を喋れるようになってきたじゃないか」
「ン、ママ、ヤクニタチタイカラ、ベンキョウ、ガンバッテル」
「良い子ですよ、レダは。部屋の整理や掃除をしてくれるから凄く助かってます」
そう言ってジャレットはレダの頭を撫でレダはまんざらでもない顔をしていた。
俺達は素材を渡してジャレットの家を後にした。




